公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.121:類似事例:加熱式タバコの誤飲による消化管異物(No.121 金属片を内蔵した加熱式タバコの誤飲によ る消化管異物の類似事例 3)

タイトル加熱式タバコの誤飲による消化管異物(No.121 金属片を内蔵した加熱式タバコの誤飲によ
る消化管異物の類似事例 3)
事例_基本情報年齢:0 歳 10 か月 性別:女児 体重:8.495kg 身長:64.8cm
事例_家族構成父、母、本児
事例_発達・既往歴発達歴:特記すべきことなし 既往歴:特になし
傷害の種類
原因対象物
_対象名称
加熱式タバコ 金属片内蔵タバコスティック(図 1)
原因対象物
_入手経路 使用状況
父が使用している加熱式タバコ。ビニールの包装を剥がした状態
の新品で、本児の手が届かないと思われる高さの棚の上に置かれ
ていた。
2 ヶ月前にも同製品の誤飲があり、手の届くところにあった製品
の箱から取り出し 1 本を口の中に入れていたが、すぐに取り出し
て、その後も元気だったため医療機関は受診しなかった。
臨床診断名タバコ誤飲によるニコチン中毒、金属片誤飲
医療費入院 279,720 円
発生状況
_発生場所
自宅の居間
発生状況
_周囲の人・状況
本児が居間に 1 人でいた。両親は自宅の別室にいて、目を離して
いた
発生状況
_発生時刻
2022 年 4 月 X 日 (日) 午前 9 時 30 分
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
同日、午前 9 時以降両親は本児から目を離していたが、母が様子
を見に行ったところ、本児が口の中にタバコスティックを入れて
いた。元々手の届かないと思われる棚の上にあったが、棚の上に
ある電化製品のコードを本児がひっぱり、そばにあったタバコス
ティックの箱が押されて落下してしまったと推測された。口の中
以外にタバコは散乱しておらず、箱からなくなっていた本数から
2 本程度と推測された。母がすぐに本児の口からとり出し 15 分程
度様子を見ていたが、顔色不良、嘔吐が出現したために救急要請
し、医療機関を受診した。
治療経過と予後受診時のバイタルサインは体温 36.6 度、心拍数 136 回/分、収縮
期血圧 124mmHg、呼吸数 28 回/分、SpO2:99%(室内気)
で、意識障害 GCS9 点(E3V3M5)、顔色不良、嘔吐、縮瞳を認
めていた。両親の話より、タバコ誤飲後約 1 時間未満と考えられ
たので胃洗浄を行ったが、胃内容にタバコの葉は認められず、活
性炭を注入した。腹部単純 X 線でタバコスティックに内蔵されて
いると思われる金属片が左下腹部に認められ、少なくとも 1 本誤
飲したものと考えられた(図 2)。同日入院、経過観察したとこ
ろ、約 3 時間後に意識清明となった。金属片が鋭利で腸管穿孔の
リスクがあり、入院後連日便中への金属片の排泄確認と X 線撮影
を行なった。便中への金属片の排泄は確認できなかったが、X+3
日に X 線検査で金属片の消失を確認され、合併症なども認めずに
退院した。今回が 2 回目の同製品の誤飲であり、家族に同意を得
て、こども家庭支援センターに連絡した。
キーワード加熱式タバコ、異物誤飲、金属片、消化管異物