公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.109:類似事例:高吸水性樹脂球の誤飲(No.109 高吸水性樹脂球の誤飲による腸閉塞の類似事例 3)

タイトル高吸水性樹脂球の誤飲(No.109 高吸水性樹脂球の誤飲による腸閉塞の類似事例 3)
事例_基本情報年齢:6 歳 3 か月 性別:女児 体重:24.6kg
事例_家族構成不明
事例_発達・既往歴特記事項なし
傷害の種類
原因対象物
_対象名称
水で膨らむボール(高吸水性樹脂製品)(大きさは 1 つあたり直径
5mm 大で、膨らむと直径 15~20mm 大になる、対象年齢 10 歳以
上と記載あり)
原因対象物
_入手経路 使用状況
100 円均一ショップで購入した。ボウルの中で膨らませた対象物
をストロー(直径 1cm 未満)を使ってぐるぐる回したり、ストロー
でボールを刺したりして遊んでいた。
臨床診断名異物誤飲の疑い
医療費外来 18,200 円
発生状況
_発生場所
自宅
発生状況
_周囲の人・状況
前日に使用したストローでジュースを飲んでいた。母は別室にい
て目撃はしていない。
発生状況
_発生時刻
2022 年 1 月 X 日 (月) 午後 2 時 30 分頃
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
X-1 日、本児が水で膨らむボールにストローを刺して遊んでいた
が、目撃していた中ではストローも水で膨らむボールも口の中に
は入れずに遊んでいた。遊んでいるうちにストローの中に対象物
の一部がはまりこんでしまったことに母が気付かずに、他のスト
ローと一緒に洗浄し、食器棚に収納した。X 日の午後 0 時頃から
発熱を認めており、午後 2 時 30 分頃、本児が前日に遊んだスト
ローを使用してジュースを飲んだ。その際に、ゼリー状の物を 2-
3 個一緒に噛んで飲み込んでしまったが、特に両親に報告はしな
かった。午後 4 時頃、母が同じストローで水を飲んだ際に、スト
ロー内に水で膨らんだボールが入っていることに気がついた。母
が本児に確認したところ、1 時間半前に誤飲したことが発覚し
た。すぐに本児の口腔内を見ると、水で膨らむボールの破片があ
り、口から出させたが、それ以外に誤飲していたかどうかはわか
らなかった。その後、午後 4 時 30 分ごろより腹痛の訴えがあり
医療機関を受診した。
治療経過と予後受診時体温 39.2℃、意識清明、腸蠕動音は聴取され、臍周囲の軽
い圧痛を認めた。胸腹部レントゲン検査では腸閉塞の所見は認め
ず、腹部超音波検査では胃前庭部から十二指腸にボールの様な物
体は確認されなかった。小腸液の貯留を認め、腹痛、発熱の原因と
して急性腸炎が考えられた。腹痛は改善しており、腸閉塞症状出
現時は受診するようお話し、整腸剤を処方して自宅で経過観察と
した。帰宅後は腹痛なく経過しており、X+1 日朝には解熱傾向と
なった。普通便の排泄も認めたが便中に水で膨らむボールは確認
されなかった。
キーワード高吸水性樹脂球 、水で膨らむボール、異物誤飲の疑い