公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.109:類似事例:高吸水性樹脂球の誤飲による腸閉塞(No.109 高吸水性樹脂球の誤飲による腸閉塞の類似事 例 2)

タイトル高吸水性樹脂球の誤飲による腸閉塞(No.109 高吸水性樹脂球の誤飲による腸閉塞の類似事
例 2)
事例_基本情報年齢:4 歳 8 か月 性別:男児 体重:19kg 身長:110cm
事例_家族構成父、母、本児、妹
事例_発達・既往歴特記事項なし
傷害の種類
原因対象物
_対象名称
水で膨らむボール(高吸水性樹脂製品)
原因対象物
_入手経路 使用状況
5 カ月前に 100 円均一ショップで新品を購入した。購入後、浴室で
5-6 回使用していたが、使用時は大人が目を離さないようにしてい
た。当初は浴室に保管し袋から数個ずつ取り出して遊んでいたが、
残り少なくなったので蓋のないガラス瓶に入れて、脱衣所の床に
置きっぱなしになっていた。
臨床診断名腸閉塞、異物誤飲
医療費入院 139,810 円(医療機関 B)
入院 725,180 円(医療機関 C)
発生状況
_発生場所
自宅内
発生状況
_周囲の人・状況
母が気づいた時には、膨らむ前のボールが入ったガラス瓶を患児
が自分で脱衣所から持ち出して、リビングで遊んでいた。気づい
てからは母親と一緒に遊び、目を離していなかったが、その間に
明らかな誤飲は目撃されなかった。
発生状況
_発生時刻
2021 年 12 月 X 日 (金) 詳細時間不明
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
12 月 X 日、本児がいつの間にか対象玩具をリビングに持ち出し
て遊んでいた。X+1 日は無症状で経過し、X+2 日の朝食後より突
然の嘔吐が出現した。午前 11 時ごろに医療機関 A を受診し胃腸
炎と診断され帰宅したが、その後も、嘔吐と腹痛を繰り返すため
午後 1 時ごろに救急車で医療機関 B を受診した。
治療経過と予後受診時、バイタルサインに異常なく、腹部は平坦軟であり、腹部 X
線検査、腹部超音波検査ではやや腸液の貯留が目立つ以外の明ら
かな異常を認めなかった。浣腸にて水様便が排出後は腹痛が軽快
し、胃腸炎による麻痺性イレウスの疑いで同日入院となった。絶
飲食管理中も間欠的な嘔吐と腹痛が続き、X+3 日朝に胆汁性嘔吐
となった。腹部 CT を施行したところ、腸閉塞の診断となるがそ
の原因は不明であった(図 1)。同日、小児外科のある医療機関 C
に転院となり、試験開腹手術が施行された。回腸に異物が触知さ
れ(図 2)、腸管外から用手的圧迫で結腸に誘導され、小腸に貯留し
ていた腸液の流出も確認できたため、腸切除は行われず閉腹とな
った。X+5 日目に異物が排出された(図 3)。その後、X+7 日(術
後 5 日目)に退院となった。
キーワード高吸水性樹脂球 、水で膨らむボール、異物誤飲、腸閉塞