公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.109:類似事例:高吸水性樹脂球の誤飲による腸閉塞(No109 高吸水性樹脂球の誤飲による腸閉塞の類似事 例 1)

タイトル高吸水性樹脂球の誤飲による腸閉塞(No109 高吸水性樹脂球の誤飲による腸閉塞の類似事
例 1)
事例_基本情報年齢:1 歳 4 か月 性別:男児 体重:10.7kg 身長:78.8cm
事例_家族構成父、母、兄(10 歳)、兄(7 歳)、姉(3 歳)
事例_発達・既往歴特記事項なし
傷害の種類
原因対象物
_対象名称
水で膨らむボール(高吸水性樹脂製品)(大きさは1つあたり直径
10~20mm 大で、膨らむと直径 35~40mm 大になる、対象年齢 6
歳以上と記載あり、内容量 80g と記載あり)
原因対象物
_入手経路 使用状況
2021 年 12 月、母の妹が、子どもたちへのプレゼントとして母に
2袋購入したもののうち 1 つを開封し、もう 1 つを未開封のまま、
自宅リビングの姉(3 歳)の手の届かない棚に保管されていた。
臨床診断名異物誤飲、腸閉塞
医療費入院 約 120 万円 外来 26,630 円
発生状況
_発生場所
自宅リビング
発生状況
_周囲の人・状況
3 歳の姉と本児がリビングで一緒に遊んでおり、母は同じリビン
グの離れた場所にいた。
発生状況
_発生時刻
2021 年 12 月 X 日 (水) 午後 8 時 00 分
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
上記時刻から午後 10 時にかけて、3 歳の姉が、どこから取り出
してきたのかは不明だが、開封された状態の膨らむボール(水で
膨らむ前)を手にしていたのを母は確認していた。本児も一緒に
いたが、みているだけだと考えていた。午後 10 時 30 分から本児
が嘔吐を繰り返していたため、異物誤飲の可能性を母が疑い、
X+1 日午前 2 時に医療機関 A を受診した。異物誤飲がはっきり
せず、一旦帰宅となり、以降医療機関 B で胃腸炎として経過観察
されていた。X+4 日まで嘔吐が持続し、腹部膨満を認めてきたた
め医療機関 C を受診し、腸閉塞の診断となった。手術目的で医療
機関 A に転院した。
治療経過と予後来院時、腹部膨満が著明であった。腹部超音波検査で、小腸に複数
の膨らんだボールと思われる像(図 1)を確認し、緊急手術となっ
た。腹腔鏡下で最も大きいボールの位置を確認し、小開腹で小腸
を出し、切開の上異物を複数個摘出した。異物は最大径 4cm で、
破れてバラバラになっているものもあった(図 2)。また、術後排
便時、さらに複数の異物を排泄した(図 3)。3 日間の集中治療室
管理の後、消化器症状が改善したため、X+8 日に自宅退院となっ
た。
キーワード腸閉塞、異物誤飲、膨らむボール、 高吸水性樹脂製品