No.106:類似事例:芳香剤による化学性喉頭熱傷(No.106 アロマディフューザーの液を誤嚥したことによる化 学性肺炎の類似事例1)
| タイトル | 芳香剤による化学性喉頭熱傷(No.106 アロマディフューザーの液を誤嚥したことによる化 学性肺炎の類似事例1) |
| 事例_基本情報 | 年齢:1 歳 5 か月 性別:男児 体重:11.3kg 身長:82.0cm |
| 事例_家族構成 | 父、母、本児 |
| 事例_発達・既往歴 | 特記事項なし |
| 傷害の種類 | |
| 原因対象物 _対象名称 | 芳香剤【図 1】 |
| 原因対象物 _入手経路 使用状況 | 2020 年 12 月、ドラッグストアで購入。花の香り。香料の無色透 明な液体がボトルに入っており蓋はないため香料が容易に流出す る。5-6 本程度のスティックがささっている。ボトルの口のサイズ は飲料用ペットボトルの口のサイズよりもやや小さい【図 1】。 発生当日、香料は半分程度の量であった。 |
| 臨床診断名 | 化学性喉頭熱傷 |
| 医療費 | 入院 1,525,090 円 |
| 発生状況 _発生場所 | 自宅寝室 |
| 発生状況 _周囲の人・状況 | 本児は、ペットボトルから直接飲水が出来るようになっていた。 寝室の状況【図 2】:寝室のドアから見て左奥に棚(高さ 1.1m 程 度)が隣接したベッド(ドア側に足を向ける、高さ 1m 程度)、 その右側に本児が眠る布団があった。また、ドアから見てすぐ右 壁側にも棚(高さ 1.2m)があり、普段は芳香剤を置いていた。ベ ッドに隣接した棚には普段から置時計があり、入眠前の本児がベ ッドによじ登った際に時計を触ることがよくある。普段からすぐ には入眠せず、ベッドによじ登ったり布団に戻ったりを繰り返し ながら入眠する。 |
| 発生状況 _発生時刻 | 2021 年 2 月 X 日 (土) 午後 9 時 |
| 発生状況 _発生時の詳しい様子と経緯 | 2021 年 2 月 X 日、日中に母が寝室の掃除をした。その際、母は 芳香剤をベッドに隣接した棚に置き元の場所に戻し忘れた【図 2】。午後 9 時ごろ、寝かしつけのため父と本児で寝室に入っ た。父と本児で床に敷いた布団に入ったが、本児はいつものよう にベッドに上った。寝たふりをすると本児が布団に戻ってくるた め、父は布団で寝たふりをしていた。約 10 分間、ごそごそと音 はしていたが普段から入眠前にベッドに隣接した棚の上に置いて ある置時計をいじるなど音を出すため父は特に異常を察知しなか った。本児が激しく泣きながら父のもとにやってきた為、本児を 抱っこしてリビングにいた母の所に行くと、本児から芳香剤の香 りがすることに母が気付いた。母が寝室に行くとベッドの枕元に 芳香剤のボトルとスティックが落ちていた。ボトル内に残液はな く、枕元は濡れていた。芳香剤を誤飲したと考えた。泣いてから 数分経過してから嗄声と犬吠様咳嗽が出現したため医療機関を受 診した。 |
| 治療経過と予後 | X 日午後 10 時に医療機関到着時のバイタルサインは体温 37.3℃、 心拍数 150 回/分、呼吸数 40 回/分、酸素飽和度 93%(室内気)であ った。安静時は副雑音、吸気性喘鳴を聴取しなかったが、啼泣時に 嗄声と犬吠様咳嗽が出現した。同日午後 10 時 30 分に採血時の啼 泣を契機に吸気性喘鳴が出現し、努力呼吸が著明であったため、 気道緊急として救急外来で挿管された。直視下では、声門後壁に 軽度の浮腫性変化を認めるのみであった。全身管理目的で集中治 療室に入室した。X+1 日午前 3 時に実施された喉頭ファイバース コピーで喉頭の著明な浮腫性変化を認めた。気管内は明らかな粘 膜変化を認めなかった。気道の異常のため筋弛緩薬を併用した深 鎮静管理とした。X+3 日に喉頭ファイバースコピーを再検したと ころ、喉頭蓋と披裂部の腫脹を確認したため挿管管理を継続した 【図3】。X+5 日に喉頭ファイバースコピーで喉頭蓋左側の浮腫 と披裂部の浮腫を認めたが改善傾向であり抜管された。抜管後、 啼泣時に嗄声と吸気性喘鳴を聴取したが安静時の呼吸は問題を認 めず、以降安定して経過した。X+6 日に一般病棟に転棟した。経 過中肺炎や腹部症状はみられなかった。同日から食事を再開し、 呼吸も安定して経過したため X+10 日に退院した。退院後も気道 症状の再燃はなかった。 |
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