No.105:類似事例:チャイルドシート使用中の交通外傷による頸髄損傷(No.105 チャイルドシート使用中の交 通外傷による頸髄損傷の類似事例 1)
| タイトル | チャイルドシート使用中の交通外傷による頸髄損傷(No.105 チャイルドシート使用中の交 通外傷による頸髄損傷の類似事例 1) |
| 事例_基本情報 | 年齢:0 歳 11 か月 性別:女児 体重:9kg 身長:69cm |
| 事例_家族構成 | 両親と児の 3 人家族 |
| 事例_発達・既往歴 | 特記事項なし |
| 傷害の種類 | |
| 原因対象物 _対象名称 | チャイルドシート |
| 原因対象物 _入手経路 使用状況 | 詳細不明。生後 6 か月頃からチャイルドシートを前向きにして乗 車させていたとのことであった。 |
| 臨床診断名 | 高位頸髄損傷、交通外傷 |
| 医療費 | 医療機関 A 入院費 10,506,220 円 医療機関 B 入院費 885,620 円 リハビリ入院 773,990 円 医療機関 C 145,380 円 |
| 発生状況 _発生場所 | 公道 |
| 発生状況 _周囲の人・状況 | 母が運転する軽自動車の右後部座席に設置されたチャイルドシー トに前向きに乗車していた。肩のハーネスが緩くなっていたが締 め直していない状態であった。 |
| 発生状況 _発生時刻 | 2021 年 5 月 X 日 (月) 午後 8 時 10 分 |
| 発生状況 _発生時の詳しい様子と経緯 | 母が運転する車の右後部座席に前向きに設置されたチャイルドシ ートに座っていた。同車による単独事故として電柱に衝突した (図 1)。車の速度は不明で、ブレーキ痕はなかった。受傷後、 母が確認した時には、児はシートに座位の状態で頸部のみ前屈し ていた。肩ハーネスは肘関節付近までずれ落ちていた。その後、 母が児をチャイルドシートから抱え上げて救急要請した。午後 8 時 29 分に救急隊が現着し、午後 8 時 30 分時点の初期波形は PEA(pulseless electrical activity)との判断であり、直ちに心 肺蘇生を開始した。午後 8 時 31 分には心拍再開を確認した。バ イスタンダーによる心肺蘇生は行われなかった。午後 8 時 33 分 に車内収容した際は JCS(Japan Coma Scale)300、瞳孔径 2mm/2mm、心拍数 91 回/分、呼吸数 17 回/分、血圧 91/47mmHg、SpO2 44%(大気下)であった。酸素投与および 用手換気しながら搬送を開始した。 |
| 治療経過と予後 | 午後 9 時 06 分、医療機関 A に到着時、呼吸・循環は不安定で意 識障害を認めていた。医療機関 A で気管挿管、また静脈路確保の 上で急速輸液、アドレナリン、重炭酸ナトリウム、ドパミンなどの 薬剤投与などの蘇生治療を行った後、高次医療機関 B に施設間搬 送した。5 月 X+1 日午前 0 時 30 分頃に医療機関 B に到着後は集 中治療管理を開始した。完全四肢麻痺・呼吸不全を認め、入院中に 実施した MRI 検査により、頸髄損傷(C1-C2 レベル Frankel 分 類 A または B)を認めた。同検査で両側無気肺と胸水貯留も認め た。入院 21 日目に気管切開を実施し、人工呼吸管理を継続した。 入院 24 日目に一般病棟へ転棟し、入院 31 日目から経口摂取を開 始した。入院 3 か月後、リハビリ目的で医療機関 C に転院した。 受傷から約 6 か月後時点で、意識清明ではあるが、呼吸筋麻痺に より自発呼吸・換気は不能である。後弓反張あり、四肢は弛緩し自 発運動は時折みられるが合目的な運動は不能な状態である。後遺 症の大幅な改善は難しいと予測されている。本児の座っていたチ ャイルドシートは前向きで、肩のハーネスが緩くなっていた状態 であった。添付文書には「9kg 以上になるまでは後ろ向きのみで 使用可能であり、前向きでは絶対に使用しないこと」と記載され ている。本事例のシートの向きやハーネスの状態が、外傷の重症 度と関連しているかどうかは不明である。 |
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