公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.090:類似事例:折れ戸式の扉による手指外傷(No. 90 開閉式ドアによる手指外傷の類似事例 1)

タイトル折れ戸式の扉による手指外傷(No. 90 開閉式ドアによる手指外傷の類似事例 1)
事例_基本情報年齢:2 歳 5 か月 性別:男児 体重:12.0kg 身長:85cm
事例_家族構成両親、兄(7 歳)、姉(5 歳)、本児の 5 人家族。
事例_発達・既往歴なし
傷害の種類
原因対象物
_対象名称
クローゼットの折れ戸式の扉(図 1)
原因対象物
_入手経路 使用状況
祖父母宅は 2 年前にリフォームされ、和室のクローゼットの扉を
引き戸式から折れ戸式に改装した。これまでもクローゼットの扉
を本児が自身で開閉して遊んでいることが度々あった。過去に 2-
3 回、扉に指を挟んだこともあったが、外傷の程度が極めて軽微で
あったため医療機関は受診していなかった。
臨床診断名左小指挫滅創
医療費入院 565,590 円 外来 6,810 円
発生状況
_発生場所
祖父母宅の和室。和室はリビングからワンフロアで続いている。
発生状況
_周囲の人・状況
兄と姉も和室にいたがそれぞれ個々で遊んでいた。母・祖母はリ
ビングにいた。父は自宅にいた。
発生状況
_発生時刻
2022 年 2 月 X 日 (土) 午後 6 時 0 分
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
当日は祖父母宅で過ごしていた。本児が数分前からクローゼット
の扉(図 1)をバタンバタンと折り畳みして遊んでいるのを母は
認識していた。午後 6 時過ぎに和室から啼泣が聞こえたが、母は
またクローゼットの扉に指を軽く挟んだのだと思っていた。同室
にいた姉が出血していることに気がつき大声で知らせたため、急
いで母が駆け寄ると、左小指末端部が挫滅し出血が続いている状
態であった。救急要請して医療機関へ搬送された。午後 7 時 56
分に医療機関に到着した。
治療経過と予後受診時、バイタルサインに異常を認めなかった。左小指爪根より
やや近位から末端部部分が挫滅し、指の橈側の皮膚でかろうじて
繋がっている不全断裂の状態であった。X 線検査では明らかな骨
傷は認めなかった。静脈鎮静下に、救急室で形成外科医により処
置を実施した。局所麻酔を併用し、洗浄しながら末端部を用手的
に整復してみると、指腹の一部の皮膚が欠損していた(図 2、3)。
人工真皮で欠損部を補完し、縫合処置を実施した(図 4)。30 分程
度で処置は終了し、一般病棟へ入院となった。処置時から抗菌薬
を投与し、退院まで継続投与した。入院 8 日目に退院した。退院
後は形成外科外来を通院しており、創部の経過は良好である(図
5)。
キーワード折れ戸式の扉、手指外傷