公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.080:類似事例:ダンボール用ステープル針による右耳介貫通創(No.80 金属製のフックによる眼瞼裂創の 類似事例 3)

タイトルダンボール用ステープル針による右耳介貫通創(No.80 金属製のフックによる眼瞼裂創の
類似事例 3)
事例_基本情報年齢:1 歳 6 か月 性別:男児 体重:10kg 身長:85cm
事例_家族構成父、母、本児
事例_発達・既往歴特記すべき既往歴なし
傷害の種類
原因対象物
_対象名称
ダンボール用ステープル針
原因対象物
_入手経路 使用状況
リンゴの入ったダンボール(高さ 15cm×横 40cm×縦 60cm)がミ
ネラルウォーターの入ったダンボールの上に重ねて玄関の土間に
置かれていた。リンゴのダンボールは、外フラップ注 1)に何本かス
テープル針が残った状態で開いていた。
臨床診断名右耳介貫通創
医療費外来 18,550 円(選定医療費 5,000 円含む)
発生状況
_発生場所
自宅玄関
発生状況
_周囲の人・状況
本児は一人で玄関で遊んでいた。母親やリビングに居り、父は屋
外で作業中であった。
発生状況
_発生時刻
2022 年 12 月 X 日 (日) 午後 8 時 30 分
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
玄関から本児の泣き声がしたため母親が見に行くと、本児は四つ
ん這いになっており、リンゴの入ったダンボールから飛び出でて
いたステープル針が本児の右耳介に突き刺さっていた(図 1)。
母が急いでダンボールからステープル針を剥がし、耳介に針が刺
さった状態のまま医療機関 A の救急外来を受診した。大人の目撃
は無かったが、土間との段差に誤って躓き転倒した際にステープ
ル針は、本児の耳の高さの位置にあったと推測された。
治療経過と予後受診時、ステープル針に汚染は無く、創は汚染の無い整った貫通
創(図 2)であった。四種混合ワクチンは年齢相当で接種をしてい
た。 生理食塩水で創部を洗浄し、無鈎鉗子を用いて金具を抜去し
た。ステープル針の大きさは全長約 40mm、幅 3mm、厚さ 0.5mm、
1mm 程度であった(図 3, 4)。抜去後止血を確認し、再度創部を
生理食塩水で洗浄し、被覆材で保護して同日は帰宅とした。翌日
再診時にも創部の明らかな離開や感染徴候を認めず、再洗浄を実
施し、経過良好につき終診とした。
注1) 外フラップ:ダンボールの長さ面の蓋を指す
キーワード耳介、貫通創