公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.080:類似事例:金属製のフックによる眼瞼挫創(No.80 金属製のフックによる眼瞼裂創の類似事例 1)

タイトル金属製のフックによる眼瞼挫創(No.80 金属製のフックによる眼瞼裂創の類似事例 1)
事例_基本情報年齢 4歳5か月 性別 男児 体重 19.8kg 身長 112.5cm
事例_家族構成父、母、本人
事例_発達・既往歴自閉症、療育施設通園中
傷害の種類
原因対象物
_対象名称
療育施設に設置された金属製タオル掛け(図1)
原因対象物
_入手経路 使用状況
登園時、タオルとコップの入った袋をかけておくもの。登園時間
は室内壁側に設置しており、それ以外の時間は室内廊下流しの向
かいの壁に設置。
使用頻度:1 日 6 回(登園時、トイレの手洗い、給食前後、
帰宅時)
臨床診断名右上眼瞼挫創
医療費外来 11,090 円
発生状況
_発生場所
療育施設の廊下
発生状況
_周囲の人・状況
療育施設に母と一緒に通所していた。
発生状況
_発生時刻
2020 年 9 月 X 日 (水) 午後 0 時 33 分
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
自閉傾向のある4歳の男児。午後 0 時 30 分頃、療育施設の2段
になっているタオル掛の上段のフックにタオルをかけようとした
際に、うまくかけられず、勢いで体ごと前のめりになり、手前に
ある下段のフックの方に顔面がいき、右上眼瞼が下段のフックに
引っ掛かった(図 2)。母が側にいたが、一瞬のことであった。
眼瞼を貫通はしなかったが、腫脹あり、救急車で来院した。
(療育施設から聴取した内容)本来はフックの前に安全用のバー
が通してあるタオル掛であったが、バーを外していた。外してい
た理由は、1つ目に療育施設に通所している発達障害や肢体不自
由の子どもたちは、バーがあることにより、タオル等がうまくか
けられないこと、2つ目にバーに掴まってしまい、タオル掛その
ものが倒れてしまう事象も発生したため、事故の予防としてバー
を外して対応していたとのことであった。療育施設では、事故後
再度バーを設置し、タオル掛は倒れないように壁へ固定した。新
しい安全性がより高いタオル掛への買い替えの手続きをしている
ところである。
治療経過と予後医療機関を受診時、バイタルサインは安定していた。上眼瞼は著
明に腫脹(3×4 ㎝程度)。出血はガーゼに少し付着する程度で止血
はできていた。開眼はわずかに可能であったが、眼瞼の粘膜面は
十分な観察は困難であった。眼科コンサルトし、開眼器使用し、粘
膜面、角膜、眼底を観察。眼球には明らかな損傷なく、粘膜面は翻
転可能であった部位には裂傷は確認できず。出血していた様子は
あり、挫創があったことは疑われた。抗菌薬点眼処方受け、外眼筋
の損傷の可能性は否定できず、腫脹が改善してきたころにフォロ
ーの方針となった。受傷 8 日後に再診。眼球運動異常なく、右上
眼瞼の腫脹は改善し、疼痛も消失していたためフォロー終了とな
った。
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