公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.075:類似事例:チャイルドロック機能付ウォーターサーバーによる右上肢熱傷 (No75 チャイルドロック機能付ウォーターサーバーによる左前腕熱傷の類似事例 5)

タイトルチャイルドロック機能付ウォーターサーバーによる右上肢熱傷
(No75 チャイルドロック機能付ウォーターサーバーによる左前腕熱傷の類似事例 5)
事例_基本情報年齢:1 歳 0 か月 性別:女児 体重:12.8kg 身長:77cm
事例_家族構成(同居家族)母 母方祖母 (別居家族)母方祖父
事例_発達・既往歴ずりばい 9 か月 つかまり立ち 11 ヶ月
つたい歩きとハイハイは未
傷害の種類
原因対象物
_対象名称
ウォーターサーバー (お湯の温度は 85 度)
原因対象物
_入手経路 使用状況
2018 年に新品で購入
臨床診断名上肢深達性Ⅱ度熱傷
医療費入院 1,531,350 円 外来 8,000 円
発生状況
_発生場所
祖父宅の居間
発生状況
_周囲の人・状況
受傷時、近くに祖父も母もいた(図 1)が、テレビに気をとられて
おり、受傷の瞬間を目撃していない。
発生状況
_発生時刻
2021 年 8 月 X 日 (日) 午後 1 時 0 分
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
別居の祖父宅に母児で 1 週間ほど滞在していた。祖父宅ローテー
ブル(高さ 30-40 ㎝程度)の上にはウォーターサーバーが設置さ
れていた。そのウォーターサーバーの前に玩具を置いて児を遊ば
せていた。突然泣き声が聞こえたため直後に祖父が駆けつけたと
ころ、児がローテーブル近くに立っていて、熱傷を負っていた。
床に置かれてあった洗濯物を踏み台にしてウォーターサーバーの
レバーに手をかけたものと思われた。水疱形成されており患部に
刺激を与えないようにしながら自家用車で医療機関を受診した。
事故当日の朝 10 時に母が使用した際には、チャイルドロックボ
タンは機能していたが、事故後に確認したところチャイルドロッ
クボタン(図 2-3)が故障しており、温水レバーを押すだけで温水
が出るようになっていた。
治療経過と予後初診時、右手指・手掌・前腕部にかけて熱傷面積 4%の深達性Ⅱ
度熱傷を認めた (図 4)。生理食塩水での洗浄や緊満した水疱の破
膜、外用剤塗布、創傷被覆材での被覆等の処置を鎮静下に施行し、
一般病棟に入院した。創処置を連日施行するも前腕部の上皮化を
得られなかったため X+9 日に頭部より採皮し分層植皮術を施行し
た。また創部に感染徴候がみられたため静注抗菌薬を X+9 日目か
ら X+17 日目まで投与した。植皮部の安定と採皮部の再上皮化を
確認し、X+27 日目に退院した。退院後も当院外来で経過観察を継
続していく。
キーワード熱傷、 ウォーターサーバー、チャイルドロック機能付