公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.068:類似事例:紙パック飲料ホルダーによる指ターニケット症候群(No68 玩具による指ターニケット症 候群の類似事例 2)

タイトル紙パック飲料ホルダーによる指ターニケット症候群(No68 玩具による指ターニケット症
候群の類似事例 2)
事例_基本情報年齢:2 歳 9 か月 性別:女児 体重:13kg 身長:90cm
事例_家族構成父、母、本児
事例_発達・既往歴なし
傷害の種類
原因対象物
_対象名称
紙パック飲料ホルダー(プラスチック製)【図 1】
原因対象物
_入手経路 使用状況
新品で購入し、毎日使用していた。
臨床診断名指ターニケット症候群
医療費外来 2 日で計 20,180 円
発生状況
_発生場所
自宅の居間
発生状況
_周囲の人・状況
発生時と思われる時刻に、自宅内には母がいたが、キッチンにい
た。発見時には父も帰宅していた。
発生状況
_発生時刻
2021 年 9 月 X 日 (木) 午後 6 時 00 分
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
受診当日午後 6 時ごろ、母が、紙パック飲料をホルダーに入れて
児に手渡した。母はキッチンで料理をしており、児は居間でひと
りで飲んだ。いつもは飲み終えた後にホルダーごと渡すが、この
日は紙パックしか渡さなかったため、母は、ホルダーが気に入っ
て手放さなかったのかと思っていた。午後 6 時半ごろに父が帰宅
した。午後 7 時ごろ、夕食を食べようとしたら児の右手がホルダ
ーにはまり込んでいることに気が付いた。右第 3・4 指が側面の
隣り合った穴に各々はまっていた。父母で抑えて石鹸を付けて引
き抜こうとしたが、右第 3 指しかとれず、右第 4 指の腫脹発赤が
次第に増悪したために午後 8 時 32 分に救急外来を受診した。
治療経過と予後午後 8 時 42 分にトリアージを行った際に、右第 4 指が遠位指節
骨間(DIP)関節部で穴にはまり、以遠の末節部に著明な腫脹をみ
とめた【図 2】。指ターニケットの判断で緊急トリアージとなり、
即時診察を行った。キシロカインゼリーを塗布して牽引を試みる
が不変であった。ペンチと眼科剪刀、ペアンを用いてホルダーを
破壊し、午後 9 時にターニケットを解除した。右第 4 指末節部に
擦過傷と発赤、腫脹があり【図 3】、生理食塩水 100mL で洗浄後、
ワセリンとガーゼを用いて被覆していったん帰宅とした。事故発
生 24 時間後に、外来で虚血の再評価を行ったところ、腫脹の改善
を認めたため終診とした。
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