公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.066:類似事例:ネオジム磁石(※)の誤飲による腸閉塞(No.66 磁石と鉄球の誤飲による小腸穿孔の類似事例 14)○

タイトルネオジム磁石(※)の誤飲による腸閉塞(No.66 磁石と鉄球の誤飲による小腸穿孔の類似事例
14)○
事例_基本情報年齢:1 歳 2 か月 性別:女児 体重:9.4kg 身長:74cm
事例_家族構成父、母、長兄、長姉、次姉、次兄、本児の 7 人暮らし
事例_発達・既往歴特記事項なし
傷害の種類
原因対象物
_対象名称
ネオジム磁石
原因対象物
_入手経路 使用状況
不明
臨床診断名異物誤飲(複数個の磁石)
医療費入院 114,030 円 外来 2,520 円
発生状況
_発生場所
自宅
発生状況
_周囲の人・状況
不明
発生状況
_発生時刻
2024 年 5 月 X 日 (日)
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
X 日、嘔吐が 4 回あった。X+1 日午前に医療機関 A の一般外来
を受診した。体温 37.0℃、顔色不良、腹部は平坦、皮膚乾燥軽
度あり。便秘症に伴う嘔吐と診断し輸液・浣腸施行し、帰宅し
た。しかし、その後も嘔吐による経口摂取不良が続くため、午
後 7 時 0 分に同施設に時間外受診した。採血にて高ケトン血症
(5,100µmol/L)を認めたため、入院となった。
治療経過と予後入院後の X+2 日午前 3 時 0 分に茶褐色の嘔吐を認めた。同日に
施行した腹部超音波検査で、腸管内液貯留が著明で腸管壁肥厚と
腹水貯留を認めた。腹部 X 線写真(図 1)で直径 3mm 程度の円形
の隣接する放射線不透過の構造物を 2 個認め、磁石などの誤飲の
疑いで三次医療機関 B へ転送した。母から「家に小さな磁石があ
るのでそれかもしれない。それらを飲み込んでいるとは思わなか
った」との発言があった。医療機関 B では、磁石誤飲として当日
緊急手術となった。術所見では、上行結腸内と回腸末端から
100cm 口側の小腸内にそれぞれ 1 個ずつ磁石を認め、2 つが腸
管壁を挟んで接着していた。腸管壁は著明に菲薄化し、穿通に近
い状態であったが、腹水に腸液の混入はなく、穿孔には至ってい
ないと判断された。磁石は上行結腸内の 1 個を摘出(図 2)、小腸
内の 1 個は摘出せず保存的管理とした。X+3 日(術後 1 日目)、
便に磁石の排出を確認した。経過は順調で X+7 日(術後 5 日目)
合併症なく退院となった。
キーワード磁石誤飲、 ネオジム磁石