No.066:類似事例:玩具に内蔵された磁石の誤飲による盲腸穿孔(No.66 磁石と鉄球の誤飲による小腸穿孔の 類似事例 10)
| タイトル | 玩具に内蔵された磁石の誤飲による盲腸穿孔(No.66 磁石と鉄球の誤飲による小腸穿孔の 類似事例 10) |
| 事例_基本情報 | 年齢:2 歳 11 か月 性別:男児 体重:14kg 身長:不明 |
| 事例_家族構成 | 父、母、兄、本人、弟(乳児) |
| 事例_発達・既往歴 | 特記事項なし |
| 傷害の種類 | |
| 原因対象物 _対象名称 | 内部に磁石が内蔵されたブロック玩具(玩具安全基準合格製品)。 この玩具が破損し内部の磁石は紛失していたとのことであった (図 1)。破損に至った経緯は不明であり、両親が気づいた時には 接着しているはずのブロックが 2 つに割れていたとのことであっ た。 |
| 原因対象物 _入手経路 使用状況 | 兄への知人からの贈り物 |
| 臨床診断名 | 後腹膜異物、異物による盲腸穿孔 |
| 医療費 | 入院 1,454,490 円 外来 63,850 円 |
| 発生状況 _発生場所 | 自宅 |
| 発生状況 _周囲の人・状況 | 目撃なし |
| 発生状況 _発生時刻 | 不明 初診は 2021 年 9 月 X 日 (土) |
| 発生状況 _発生時の詳しい様子と経緯 | 誤飲の目撃はなし 9 月 X 日日中までは元気で普段通り食事も摂れていた。午後 6 時 30 分頃、夕食の途中から嘔気を訴え、その後 5、6 回嘔吐した。 機嫌が悪く啼泣が続くため医療機関 A を受診した。来院時は腹痛 や嘔吐はなく、全身状態良好で、脱水を疑わせる所見はなかっ た。経口補水の指導を受け帰宅した。 9 月 X+1 日水分摂取後に1回嘔吐した。その後、上腹部痛を訴え たため、医療機関 A を再診した。 |
| 治療経過と予後 | 来院時、腹部は平坦・軟で、自発痛も圧痛もなかった。腹部単純 X 線検査が施行され、下腹部に X 線不透過性の異物を認めた(図 2)。 追加の病歴聴取により、自宅で最近内部に磁石が入っている玩具 が壊れたとのことで、その中にあった磁石を誤飲した可能性が示 唆された。玩具の壊れた日時は不明で、誤飲の目撃もなかった。 腹部 CT 検査(図 3)が施行され、異物は腸管内に存在し、消化管 穿孔は否定的であった。身体診察や血液検査で腹膜炎を疑わせる 所見はなかったため、自然排泄を待ちながら 2 日後再診の方針で 一旦帰宅した。 9 月 X+3 日の再診時、腹部単純 X 線写真では 2 日前と同様の位置 に異物が存在した。異物の除去が必要と判断され、2 次医療機関 B の小児外科へ紹介となった。 医療機関 B 受診時には、穿孔や感染を疑う腹部所見はなかった。 磁石 2 個の異物誤飲として入院管理となった。浣腸など施行しつ つ便からの排泄を待った。経過中、腹痛や嘔吐の出現なし。食事も 普通に摂取できていた。しかし、入院 1 週間たっても単純 X 写真 上、磁石の位置の変化はなかった。家族の同意を得て、9 月 X+11 日に全身麻酔下で大腸内視鏡検査と診断的腹腔鏡検査を施行し た。回腸内まで内視鏡を挿入するも、異物は確認できなかった。腹 腔鏡検査では盲腸においてバウヒン弁の対側が右膀胱上窩に癒着 しており、盲腸と後腹膜の癒着を剥離すると盲腸の穿孔所見を認 めた。盲腸以外に消化管の穿孔は認めず、盲腸との瘻孔形成も認 めなかった。内視鏡操作で後腹膜深部を切開し、右膀胱上窩に接 着した 2 つの磁石を鉗子で把持して摘出した(図 4)。膀胱壁の損 傷はなかった。2 つの磁石の間には何らかの組織が挟まれていた が消化管ではなかった。その後、穿孔した盲腸壁と切開した腹膜 を修復し手術を終了した。盲腸内で 2 つの磁石が壁をつまむよう な形で接着し盲腸穿孔が生じたか、すでに接着した磁石が盲腸ま で辿り着き外部の何らかの磁力に引っぱられて盲腸穿孔に至った と推測されたが、詳細は不明であった。術後経過は順調で、術後 5 日に退院した。退院後も、医療機関 B を通院している。 |
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