公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.066:類似事例:強力磁性玩具の誤飲による小腸穿孔(No.66 磁石と鉄球の誤飲による小腸穿孔の類似事例 4)

タイトル強力磁性玩具の誤飲による小腸穿孔(No.66 磁石と鉄球の誤飲による小腸穿孔の類似事例 4)
事例年齢: 1 歳 1 か月 性別:男児 体重: 8 kg 身長:73.5 cm
傷害の種類誤飲
原因対象物強力磁性玩具(マグネットボール ネオジム磁石) 5mm
臨床診断名小腸穿孔
医療費954,910 円
発生状況
_発生場所
発生状況
_周囲の人・状況
発生状況
_発生時刻
2019 年 10 月 X 日 (誤飲した詳細な日時は不明)
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
2019 年 10 月下旬から頻回に嘔吐するようになった。
自宅近くのクリニックを受診し、当初は胃腸炎が疑われていた。しかし
症状が改善しないため、嘔吐が出現してから 7 日目に別の医療機関を受
診した。
受診時に撮影された腹部単純 X 線写真では、上腹部に 5mm 大の球状物体
が 5 個連なった陰影が確認され(図 1)、マグネットボールの誤飲が疑わ
れた。同医療機関において超音波検査を施行したところ、小腸内に異物
を確認した。
マグネットボールは、知育玩具としてインターネットショップを通して
長兄(13 歳)のために購入したものである。普段は次兄(3 歳)でも手が届く
棚の上に置いていたこともあり、次兄も手に取って遊んでいた。ただ両
親は子どもたちが誤飲するとは思わず、特に置き場所を変えることはし
なかった。本児がマグネットボールで遊んでいたことがあったかは不明。
両親と 2 人の同胞以外に同居する家族はいない。
治療経過と予後誤飲して 7 日以上経過している可能性が高いことから、自然排泄は期待
できず、消化管穿孔の可能性もあることから、緊急開腹手術が行われた。
術中所見では、小腸は腸間膜側で穿孔しており、穿孔部から 5 個のマグ
ネットボールが摘出された(図 2)。穿孔部は縫合閉鎖された。
術後、一時的に麻痺性イレウスとなったが、徐々に状態は改善し、第 9
病日に後遺症なく退院した。
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