公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.055:類似事例:ツロブテロールテープ粘着部を保護する透明フィルムの誤飲による食道異物、食道狭窄 (No.55 プラスチック製シールの誤飲による咽頭異物の類似事例1)

タイトルツロブテロールテープ粘着部を保護する透明フィルムの誤飲による食道異物、食道狭窄
(No.55 プラスチック製シールの誤飲による咽頭異物の類似事例1)
事例年齢:2 歳 2 か月 性別:男児 体重:11.3 kg 身長:87.7 cm
傷害の種類誤飲
原因対象物ツロブテロール貼布剤(1mg)使用時に剥がす透明フィルム
臨床診断名食道内異物(透明フィルム)による食道狭窄および気管狭窄
医療費入院費・外来通院費の合計 3,720,000 円
発生状況
_発生場所
自宅
発生状況
_周囲の人・状況
誤飲には気づかず。喘鳴出現と、その精査の過程で発見された。
ツロブテロール貼布剤(1mg)は兄に対し処方されたものであった。
発生状況
_発生時刻
2011 年 3 月頃 (1 歳 8 ヵ月頃)、日時不明
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
2011 年 3 月頃よりよく嘔吐するようになった。同年 5 月、吸気性喘鳴にて近院に
て治療を受けるも症状が改善しないため、難治性のクループ疑いにて、小児科紹介
入院となった。入院加療後一旦退院となるも、吸気性喘鳴が続き、8 月には安静時
にも吸気性喘鳴を認めるようになり再入院となった。胸部 X-P に異物が映らず、
CT にて気管狭窄像(図 1)を認め、同年 9 月再入院となった。
治療経過と予後2011 年 9 月、小児外科へ転科となった。上部食道造影にて食道狭窄を認めた。上
部消化管内視鏡検査で食道内に透明フィルムを発見した(図 2-A)が、内視鏡によ
る経口的異物除去が困難であった。外科治療の方針とし、一時的に胃瘻を造設し、
胃瘻から食道へ内視鏡を進め異物を観察した(図 2-B)。異物を経胃瘻内視鏡的に
除去した。除去部から排膿を認めた(図 3-A, B)。異物はツロブテロール(1 mg)
のフィルム部分であった(図 4)。胃瘻を閉鎖して手術を終了した。同年 10 月、食
道狭窄症状が続き、全身麻酔下食道バルーン拡張術を施行した(図 5)。その後し
ばらくの間、食道狭窄による嚥下障害と気管狭窄による喘鳴を認めたが、異物除去
後は次第に症状軽減し、およそ 3 か月で喘鳴、経口摂取障害とも軽快した。食道造
影にて食道壁不整が残るが摂食障害はない状態である。
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