公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.053:類似事例:ヘリウムガス入りスプレー缶の吸引による縦隔気腫 (No.53 ヘリウムガス入りスプレー缶の吸引による意識障害の類似事例1)

タイトルヘリウムガス入りスプレー缶の吸引による縦隔気腫
(No.53 ヘリウムガス入りスプレー缶の吸引による意識障害の類似事例1)
事例年齢:8 歳 11 か月 性別:男 体重:30 kg 身長:131 cm
傷害の種類肺損傷
原因対象物ヘリウムガス入りスプレー缶
(市販の変声用のパーティグッズ:ヘリウム 80%, 酸素 20%の混合ガス)
臨床診断名縦隔気腫
医療費185,420 円
発生状況
_発生場所
発生状況
_周囲の人・状況
発生状況
_発生時刻
2015 年 6 月 28 日 午後 4 時 30 分
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
声を変えて家族を驚かせる目的で、大型量販店で購入したヘリウムガス入りス
プレー缶(容量は 11.6L、複数回用、使用年齢は 10 歳以上と記載あり)を購入
した。家の前の車の中で、息を吐いて鼻をしっかりつまみ、父が児に 3 秒間程
ヘリウムガスを吸引させた。直後から児がうずくまり、頭痛・胸痛を訴えた。
立ち上がるとふらつきがあり、両下肢に力が入りづらかった。5 分程で両下肢は
力が入るようになったが、頭痛・胸痛が持続するため、近医を受診し、精査・
加療目的に当科紹介入院となった。
治療経過と予後発症 1 時間で当科紹介受診時には、バイタルサインは安定し、身体所見・神経
学的所見で異常は認めなかったが、頭痛・胸痛は持続し、嘔吐を認めた。頭部
CT で脳空気塞栓症を疑う所見は認めなかったが、胸部 X 線・胸部 CT で縦隔気
腫を認めた。入院時より酸素化不良は認めなかったが、縦隔気腫の改善を期待
し、酸素投与を行った。発症 3 時間で頭痛・胸痛は改善傾向となり、入院 2 日
目夕には消失した。胸部 X 線を連日評価し、次第に縦隔気腫は消褪傾向となり、
入院 5 日目に退院とした。
発症 12 日目(退院後 7 日目)の再診時には、胸部 X 線上縦隔気腫の消失を認め、
外来通院は終了とした。
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