公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.049:類似事例:こんにゃく入りゼリーの誤嚥による窒息(No.49 ブドウの誤嚥による窒息の類似事例 6)

タイトルこんにゃく入りゼリーの誤嚥による窒息(No.49 ブドウの誤嚥による窒息の類似事例 6)
事例_基本情報年齢:5 歳 4 か月 性別:男児 体重:17kg 身長:110cm
事例_家族構成両親、本児、妹(3 歳)
事例_発達・既往歴特記すべき事項なし
傷害の種類
原因対象物
_対象名称
こんにゃく入りゼリー(ミニカップタイプ)
原因対象物
_入手経路 使用状況
最近購入したもの。こんにゃく入りゼリーは凍らせてはおらず、
当日はそのまま本児に食べさせていた。こんにゃく入りゼリー自
体は、幼児期に一度食べさせたことはあったが細かく切って与え
ており、今回は本児が食べたいと言ったため久しぶりに購入した
臨床診断名窒息、蘇生後低酸素性脳症、陰圧性肺水腫
医療費入院 2,789,300 円
発生状況
_発生場所
自宅のリビング、寝室
発生状況
_周囲の人・状況
午後 6 時 30 分頃から夕食を食べ始め、午後 7 時頃に食べ終わり、
その後リビングの机でこんにゃく入りゼリーを食べていた。午後
7 時 20 分頃から母が寝室で布団を敷きはじめた。本児がリビング
を歩き回っているような音がしているのは、母は認識していた。
母曰く、おそらくこんにゃく入りゼリーをそのままかまずに口に
含んでいた状態で歩いていたのではないかとのことであった。
発生状況
_発生時刻
2022 年 2 月 X 日 (木) 午後 7 時 25 分
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
上記時刻、寝室で布団を敷いている母の前に、こんにゃく入りゼ
リーを口に含んだ本児がやってきて、立位の状態のまま突然唸っ
て前方に倒れた。母が急いで背部叩打を行ったが本児の口腔内か
らは何もでてこず、反応がなくなったため、午後 7 時 26 分に救
急要請した。電話で救急隊からの指示を受け、母が胸骨圧迫を開
始した。午後 7 時 36 分に消防隊が先着し、胸骨圧迫を継続し
た。続いて AED を装着した。午後 7 時 41 分に後着した救急隊
員が喉頭展開し、吸引器で 2cm×2cm の異物(ゼリーの欠片)を
除去した。その後、用手換気により胸郭挙上が良好であることを
確認した。胸骨圧迫を継続し、自宅最寄りの医療機関 A に搬送し
た。
治療経過と予後午後 7 時 56 分、医療機関 A に到着した時、モニター波形は心静
止で、瞳孔は散大し対光反射は認めなかった。心肺停止と判断し、
気管挿管および末梢静脈路を確保し、アドレナリンを数分おきに
静注しながら胸骨圧迫を継続した。午後 8 時 16 分に心拍が再開
し、橈骨動脈でも脈の触知が可能となった。蘇生処置中、瞳孔は散
大した状態が続き、対光反射はなく、自発呼吸も認めない状態で
あった。血圧を維持するために循環作動薬の持続静注が必要な状
態であり、集中治療管理目的に医療機関 B へ転院搬送となった。
医療機関 B に到着後は集中治療室へ入室し、人工呼吸管理を継続
とした。X 日に医療機関 A で採取していた SARS-CoV-2 PCR が
陽性であったと、X+1 日に医療機関 B へ報告があり、医療機関 B
における再検査でも陽性であった。無症候性の新型コロナウイル
ス感染症との診断で、適切な感染対策を継続しつつ集中治療管理
を継続した。入院 17 日目に永眠した。
キーワードこんにゃく 入りゼリー、窒息、心肺停止