公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.047プラスチック製サイコロの誤嚥による窒息(No.47木製おもちゃの誤嚥による窒息の類似事例2)

タイトルプラスチック製サイコロの誤嚥による窒息(No.47木製おもちゃの誤嚥による窒息の類似事例2)
事例年齢:0 歳 8 か月 性別:女児 体重:8kg 身長:62cm
傷害の種類誤嚥
原因対象物プラスチックのサイコロ(写真 1: 1 辺 2cm 大の立方体)
父が10年ほど前に購入したトレーディングカードゲームに付属していたサイコ
ロ(2 個セット)
臨床診断名気道異物、誤嚥性肺炎
医療費480,170 円
発生状況
_発生場所
自宅のリビング
発生状況
_周囲の人・状況
本児はリビングで、兄(3 歳)と遊んでいた。
発生状況
_発生時刻
2017 年 9 月 30 日 午前 9 時 0 分頃
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
本児は、発達歴に異常の指摘はない。
3 歳の兄が普段からトレーディングカードゲームで遊んでいた。本児がいるとき
には、サイコロを片付けるようにしていた。
本児がリビングで兄と遊んでいる際に嘔吐した。不穏となり、口唇チアノーゼ
が出現したため、母が救急要請した。
治療経過と予後救急車内では酸素投与が行われ、チアノーゼは認めなかった。病院へ搬入した
際には、軽度の分泌物貯留音を認めたが、吸気性喘鳴や陥没呼吸は認めなかっ
た。体位変換などで容易に嘔吐やえづく様子が見られ、口唇チアノーゼと
SpO240-60%(大気下)と低下を認めた。その後、吸気性喘鳴と陥没呼吸が出現
したため異物誤嚥が疑われた。頸部側面 X 線検査(写真 2)で、喉頭に 2cm 四
方の異物(写真 2 の矢印)を確認した。
上記を踏まえて母親から追加の病歴聴取を行った。母は誤飲の瞬間を目撃して
いなかったが、状況からサイコロの誤嚥であると診断した。十分な鎮痛鎮静を
行い、気道確保をしながら喉頭展開し、マギール鉗子を使用して異物を除去し
た。異物除去後も、換気不全と陥没呼吸が続くため、気管挿管を実施し、人工
呼吸管理を開始した。その後の胸部 CT 検査では、残存した異物は認めず胸部
背側に誤嚥性肺炎を疑う浸潤影を認めた。抗菌薬、ステロイドの静脈投与を行
なった。入院 2 日目に抜管したが、上気道狭窄症状や努力呼吸は認めず、酸素
投与も不要であった。入院 3 日目に抗菌薬治療を内服に変更し、入院 5 日目に
退院した。
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