公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.046:類似事例:デザート製造機による手指外傷(No.46 ジューサーによる手指外傷の類似事例2)

タイトルデザート製造機による手指外傷(No.46 ジューサーによる手指外傷の類似事例2)
事例年齢:4 歳 2 か月 性別:女児 体重:13.5kg 身長: 95.0cm
傷害の種類挫創
原因対象物デザート(凍らせたフルーツや野菜を加工して作成する食品)の製造機(図 1、
2)。本製品の食品を投入する部分の長さは 15cm あり、投入口は長径約 6cm の
円型である(図 3)。筒の先は歯がむき出しになっており、歯との接地面は直径
4.3cm ある(図 3)。
臨床診断名右手指掌側挫滅創、深屈筋部分断裂
医療費1,295,990 円
発生状況
_発生場所
自宅のキッチン
発生状況
_周囲の人・状況
製品がキッチンの床に置いてあり、母も側にいた。
発生状況
_発生時刻
2017 年 10 月 31 日 午後 6 時 50 分
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
母親が、3 ヶ月ぶりに本デザートを作成しようとした。延長コードがなかったた
め、製品を床に置いて使用していた。電源スイッチを ON にしてしばらくすれ
ば機械が冷えると思い、電源スイッチを ON にしたままにしていた。
気がついたら、本児が食品の投入口から右手を入れていた。手はスムーズに入
っていった。母親がすぐに手を抜き、救急車を要請した。本児の第 2 から第 5
指までの幅(手幅)は 5.2cm、手関節から指先までの長さ(手長)は 10.7cm で
あった(手をすぼめれば楽に入る大きさである)。
治療経過と予後受傷当日に顕微鏡下で手術を施行した。第 5 指は擦過症のみ。第 4 指掌側は挫
滅が強く、深屈筋が部分断裂していた(図 4)。腱鞘は、基節骨遠位部から末節
骨にかけて(C1, A3, C3, A5)完全に損傷していた。神経血管束は、明らかな損
傷を認めなかった。第 2、3 指も腱鞘が完全に損傷していた。第 2 指については
一部腱を覆うことが出来ず人工真皮を使用した。
その後連日、創部の洗浄と軟膏を塗布する処置を鎮静下で繰り返した。受傷
後 2 週間で創部の状態が安定してきたので、リハビリ訓練を開始した。感染を
併発することなく、また血流も良く上皮化が進んで受傷後 3 週間で退院となっ
た。受傷後 2 か月半が経過した時点で、創部は瘢痕治癒している。腱と周囲組
織の癒着があり、第 2 指は軽度の屈曲拘縮を認めている。伸展装具を使用し、
外来でリハビリを継続していく予定である。
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