公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.041:類似事例:抱っこ紐からの転落による頭部外傷(No.41 抱っこ紐からの転落による頭部外傷の類似事 例 9)

タイトル抱っこ紐からの転落による頭部外傷(No.41 抱っこ紐からの転落による頭部外傷の類似事
例 9)
事例_基本情報年齢:0 歳 2 か月 性別:女児 身長・体重:受診時計測せず不明
事例_家族構成父、母、姉(2 歳)
事例_発達・既往歴周産期歴:38 週 6 日、2,966g で出生
受傷時は未定頸
傷害の種類
原因対象物
_対象名称
抱っこ紐(縦抱き、ヒップシート付き
原因対象物
_入手経路 使用状況
知人から譲り受けたもので、姉の時から使用していた。
新生児期から使用可能と聞いていたので毎日使用していたが、補
助具の有無や必要性については認識していなかった
臨床診断名両側頭頂骨骨折、硬膜外血腫
医療費入院 239,530 円 外来 2,240 円
発生状況
_発生場所
買い物中の店内
発生状況
_周囲の人・状況
母が児を抱っこ紐で抱き、一人で買い物していた。背中にリュッ
クを背負っていた。
発生状況
_発生時刻
2020 年 9 月 X 日 (火) 午後 2 時 30 分
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
買い物中、抱っこ紐の中で児が丸まっているのに気づかず、母
が背中に手を回してリュックの中の物を取ろうとした際、児が抱
っこ紐と母の体の隙間(右側)から墜落した。児は直後に啼泣し
たが、頭頂部に発赤を認めた。一旦帰宅し、午後 3 時頃にミルク
を飲ませたが、飲みがいつもより悪かった。心配になり、午後 4
時頃医療機関 A を受診した
治療経過と予後医療機関 A 受診時、児の機嫌は良く、顔色良好で大泉門は平坦
であった。頭蓋骨 X 線および頭部 CT 検査で、両側頭頂骨骨折と、
左頭頂円蓋部に高吸収域が認められた。入院経過観察目的に医療
機関 B へ紹介され、転院搬送された。
医療機関 B へ搬送時(受傷後約 3 時間)、児の意識は清明で、四
肢の動きに左右差を認めず、バイタルサインは正常であった。頭
頂部から両側側頭部にかけてやや境界不明瞭に広がる、6cm 程度
の柔らかい皮下血腫を認めた。体表面に明らかな打撲痕はなかっ
た。頭部 CT では、左頭頂骨の骨折箇所直下に凸レンズ状の高吸
収域を認め、硬膜外血腫の可能性が高いと考えられた。神経症状
の出現に注意しながら経過観察した。神経症状の出現なく経過し、
全身状態良好のため X+3 日に退院した。退院から 1 週間後、1 か
月後、3 か月後に外来で経過を確認し、全身状態に問題なく終診と
なった。
キーワード抱っこ紐、 墜落、頭部外傷