公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.041:類似事例:抱っこ紐からの転落による頭部外傷(No.41 抱っこ紐からの転落による頭部外傷の類似事 例 8)

タイトル抱っこ紐からの転落による頭部外傷(No.41 抱っこ紐からの転落による頭部外傷の類似事
例 8)
事例_基本情報年齢 0 歳 2 か月 性別 男児 体重 6.13kg 身長 59.5cm
事例_家族構成父、母と 3 人暮らし
事例_発達・既往歴特記事項なし 受傷時は未定頸
傷害の種類
原因対象物
_対象名称
抱っこ紐(縦抱き)
定頸前の児には、専用インサートの装着が必要なタイプ
原因対象物
_入手経路 使用状況
新品を販売店で購入
インサートについては購入時に特段説明されなかったため、使用
していなかった
臨床診断名右頭頂骨骨折
医療費入院 240,080 円 外来 2,240 円
発生状況
_発生場所
スーパーの駐車場
発生状況
_周囲の人・状況
母が児を抱っこ紐で抱きながら買い物を終え、車に戻るまでの間
に発生した。他に一緒にいた人はいなかった。
発生状況
_発生時刻
2020 年 8 月 X 日 (火) 午後 1 時 00 分
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
母が児を抱っこ紐で胸元に縦抱きしながら、スーパーで買い物
をした。その後、両手に荷物を持った状態で駐車場内を歩いてい
た際に、児が抱っこ紐の右側からすり抜けるように墜落した。こ
の際、かがむなどといった特別な動作や誘因はなかった。頭を打
ったため心配になり、受傷後直ちに医療機関 A へ救急搬送され
た。
治療経過と予後医療機関 A で頭部 CT を撮影され、右頭頂骨骨折が認められた。
母の語った受傷機転(頭の前方をぶつけた)と矛盾する所見であ
ったことから虐待の可能性も懸念され、医療機関 B へ紹介された。
医療機関 B へ転院時(受傷後約 3 時間)、児の意識は清明で、四
肢の動きに左右差を認めず、バイタルサインは正常であった。右
頭頂部に 5cm 程度の皮下血腫を認めた。体表面に明らかな打撲痕
はなかった。頭部 CT を再検し、右頭頂骨骨折以外に異常所見が
ないことを確認した。経過観察目的で入院とした。
なお、入院後に両親と面談を行ったが、虐待の可能性は低いと
考えられた。神経症状の出現なく経過し、全身状態良好のため X
+3 日に退院した。退院から 1 週間後、1 か月後、3 か月後に外来
で経過を確認し、全身状態に問題なく終診となった。
キーワード抱っこ紐、 墜落、頭部外傷