No.041:類似事例:抱っこ紐からの転落による頭部外傷(No.41 抱っこ紐からの転落による頭部外傷の類似事例 6)
| タイトル | 抱っこ紐からの転落による頭部外傷(No.41 抱っこ紐からの転落による頭部外傷の類似事例 6) |
| 事例 | 年齢:0 歳 2 か月 性別:女児 体重:4.7kg 身長:52.5cm |
| 傷害の種類 | 転落 |
| 原因対象物 | 抱っこ紐 |
| 臨床診断名 | 外傷性頭頂骨骨折、外傷性急性硬膜下血腫 |
| 医療費 | 824,920 円 |
| 発生状況 _発生場所 | 自宅の浴室 |
| 発生状況 _周囲の人・状況 | 父・母・本児(第1子)の3人家族 父が本児を抱っこしながら浴室で洗濯物を干しており、母は台所にいた |
| 発生状況 _発生時刻 | 2020 年 3 月X日(日) 午後 3 時 00 分 |
| 発生状況 _発生時の詳しい様子と経緯 | 身長 164cm の父が、抱っこ紐を使用して本児を対面で抱っこしたまま、 自宅の浴室で洗濯物を干していた。抱っこ紐のバックルがすべて締まっ ていることは、父自ら確認していた。父が両腕を拳上させた際、抱っこ 紐の左側から患児がすり抜け、浴室床のプラスチック製タイルに墜落し た。父は墜落の瞬間を目撃していないが、ゴンという音が1回した直後 に本児が啼泣した。すぐに抱き上げ、本児の右側頭部の腫脹に気がつき、 受傷 1 時間後に医療機関を受診した。 なお、本児の出生歴および入院時までの成長・発達に明らかな異常は ない。抱っこ紐は本人用に購入したもので、普段は定頸前の乳児を抱っ こする際に装着する専用インサートを使用していたが、当時は父が「自 宅内だから安全だと思った」ため使用していなかった。 |
| 治療経過と予後 | 医療機関受診時、本児は意識清明でけいれんや麻痺は認められなかっ た。右側頭部に 6×7.5cm 大、左側頭部に 4×5cm 大の柔らかい腫脹を 触れ、頭部以外に外傷性変化はなかった。頭部 CT 検査を施行し、両側 頭頂骨に線状骨折と帽状腱膜下血腫、両側頭頂部円蓋部に少量の硬膜下 血腫を認めた。脳神経外科医と方針を共有し、経過観察目的に集中治療 室へ入室した。3 時間後に再度施行した頭部 CT 検査で、血腫の増大は 認められなかった。以降、けいれんや神経学的異常は出現せず、入院 3 日目に一般床へ転棟し、患児の活気・哺乳状況ともに問題なく経過した。 身体的虐待を鑑別するためのスクリーニング検査として、入院 2 日目 (受傷後約24時間時点)に眼底検査、入院 3 日目に全身骨 X 線検査を 行った。眼底所見に異常はなく、頭部以外に明らかな骨折は認められな かった。また、入院 4 日目に施行した頭部単純 MRI 検査上、脳実質損 傷は認められなかった。入院 6 日目に院内関係者でカンファレンスを行 い、事故の可能性が高いと判断された。家庭内事故の再発防止目的に子 ども家庭支援センターに介入を依頼し、ご両親合意のもと地域での育児 支援体制を整え、入院 9 日目に退院となった。骨折および血腫について は脳神経外科外来、発達面については総合診療科外来で経過観察を続け る方針とした。 |
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