公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.034:類似事例:ポリ塩化ビニル製ラップの芯による口腔内外傷 (No.34 歯ブラシによる口腔内外傷の類似事例 7)

タイトルポリ塩化ビニル製ラップの芯による口腔内外傷
(No.34 歯ブラシによる口腔内外傷の類似事例 7)
事例年齢:2 歳 4 か月 性別:男児 体重:14.0kg 身長:91.2cm
傷害の種類挫創
原因対象物ポリ塩化ビニル製ラップの芯(直径 25mm 程度、30cm×50m、図 1、2
臨床診断名口腔内挫創
医療費116,970 円
発生状況
_発生場所
自宅寝室
発生状況
_周囲の人・状況
直前まで兄(4 歳)が本児とともにベッドに座っていた。傷害発生時、母は
他の部屋にいた。
発生状況
_発生時刻
2019 年 5 月 X 日(木) 午前 8 時 45 分
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
8 時 42 分ごろ自宅寝室の高さ 50cm のクイーンベッドの上に座って兄と
テレビを見ていたのを母が確認していた。母はその後布団をたたむため
に他の部屋へ移動した。8 時 45 分に本児が啼泣し、「本児がベッドから落
ちた」と兄が呼んだのですぐに母が見に行ったところ、口腔と鼻腔から
血液混じりの分泌物を出しながら本児が駆け寄ってきた。呼吸・意識は
保たれており経過を見ていた。ラップの芯(図 1, 2)を咥えながら転落した
と午後になって兄より知らされた。10 時から午後 1 時まで午睡したが、
起床後から口腔内に唾液をためる様子がみられた。昼食が摂れず、不機
嫌になったため午後 2 時半に医療機関を受診した。
治療経過と予後来院時、呼吸・循環は保たれ、意識は清明であった。軟口蓋に逆 U 字型
の挫創(図 3)を認めたが、すでに止血していた。嚥下困難による流涎を認
めたが、吸気性喘鳴は認められなかった。耳鼻咽喉科医により喉頭ファ
イバースコピーが施行されたが、咽頭後壁に腫脹はなく、喉頭の浮腫も
認めなかった。痛みにより経口摂取ができないため、同日に入院したが、
翌朝には疼痛なく普段と同じ量を摂取できるようになったため退院とし
た。退院 4 日後に再診としたが、軟口蓋の発赤は消失していた(図 4)。継
続して普段通り経口摂取できていたため終診とした。
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