公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.030:類似事例:板ナスカンによる歯間嵌入(No.30 蛇口による乳臼歯脱臼の類似事例 1)

タイトル板ナスカンによる歯間嵌入(No.30 蛇口による乳臼歯脱臼の類似事例 1)
事例年齢:3 歳 3 か月 性別:女児 体重:16.8kg 身長:89.2cm
傷害の種類口腔異物
原因対象物板ナスカン
臨床診断名口腔異物、歯肉挫創
医療費86,130 円
発生状況
_発生場所
自宅の子ども部屋
発生状況
_周囲の人・状況
本児が自宅の子ども部屋で、一人で板ナスカンが付属したネックレス状
のおもちゃで遊んでいた。両親は別室にいた。
発生状況
_発生時刻
2018 年 1 月 X 日(火) 午後 10 時 30 分頃
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
発達の異常は指摘されていない 3 歳女児。
午後 10 時 30 分頃、本児が板ナスカン付きのネックレス状のおもちゃで
遊んでいるのを母が目撃した。母が別室に行った数分後、本児が母のと
ころに来た際に板ナスカンが歯に引っかかって取れなくなっていた。両
親が児の状態を確認した際、用手での除去は困難であったため、同日に
医療機関を受診した。
治療経過と予後受診時、バイタルサインに異常は無かった。板ナスカンが、左下乳中切
歯の歯間に図 1(b)のように嵌まり込んでいた。隣接する歯肉に挫創を
認める以外には、異常所見はなかった(図 1)。用手的に除去を試みたが困
難であったため、板ナスカンの一部を切断して除去することとした。
静脈鎮静下に、リングカッターで板ナスカンの一部を切断しようと試み
たが、15 分経過しても切断できなかった。リングカッターによる切断を
試みたことで摩耗した部分を、さらにニッパーで切断したところ、ペン
ダント部分が外れ(図 2)、除去できた。鎮静後の覚醒確認まで経過観察入
院とし、翌朝、退院した。
左下乳中切歯の歯肉に挫創を認めた(図 3)が、創は浅く自然治癒が期待
できる範囲内であったため、特に介入を必要としなかった。
その後本件に関して当院への再診はない。
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