公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.026:類似事例:折りたたみ式踏み台による手指切断(No.26 ベビーカーによる手指切断の類似事例 7)

タイトル折りたたみ式踏み台による手指切断(No.26 ベビーカーによる手指切断の類似事例 7)
事例_基本情報年齢:1 歳 3 か月 性別:男児 体重:11.0kg 身長:77.0cm
事例_家族構成両親、兄(3 歳)、本児
事例_発達・既往歴なし
傷害の種類
原因対象物
_対象名称
折りたたみ式踏み台(図 1)
原因対象物
_入手経路 使用状況
使用していた踏み台は 2018 年 11 月にネット通販で購入されたも
の。当初は兄のために購入され兄が使用していたが、最近は本児
が自分で踏み台を運んで、折り畳んだり広げたりの操作をしてい
た。
臨床診断名右中指末節骨開放骨折、右中指末端部切断
医療費入院 0 円 外来 36,380 円
発生状況
_発生場所
リビング内(キッチンの向かい側)
発生状況
_周囲の人・状況
直前まで母はキッチンにおり、本児はリビングで遊んでいた。父
と兄もリビングにいたが本児から目を離していた。
発生状況
_発生時刻
2021 年 2 月 X 日 (木) 午後 8 時 10 分
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
上記時刻、母がキッチンからリビングへ移動した際に、本児が激
しく啼泣した。母が様子をみると、本児は座って啼泣している状
態であった。右中指から出血しており、中指末端部が切断された
状態であった。本児の傍には畳まれた状態の折りたたみ式踏み台
があり、指の切断片が踏み台の折り畳まれる隙間(図 1 の丸印部
分)に挟まっていた。母が切断片を創部にあてながらティッシュ
で圧迫を試みつつ救急要請し医療機関へ搬送された。
状況から鑑みて、本児が踏み台を組み立てようとしていた最中、
キッチンから離れた母に気をとられた際に台が折りたたまれ、隙
間に指先を挟んだと推測された。その他の外力が加わったとは考
えにくい状況であった。
治療経過と予後受診時、バイタルサインは安定しており、創部から活動性の出血
は認めなかった。右中指末端部は完全に離断しており、末節骨の
先端が露出していた。爪の脱臼はなく、爪母は保たれていた(図
2)。単純 X 線写真では、右中指末節骨の裂離骨折を認めたが、骨
片は認めなかった。初療を担当した救急医から整形外科、形成外
科に相談の上で切断片の生着は極めて困難との判断を共有した。
指ブロック麻酔下に生理食塩水で洗浄し、アルギン酸ナトリウム
で保護した後に、ガーゼで被覆して処置を終了した。同日から抗
菌薬の内服を開始した。その後、形成外科での外来管理となり、受
傷後 18 日の時点で、辺縁から肉芽組織の形成が見られ、中心部は
陥凹した状態であった。感染兆候はなく経過していた。(図 3)。
受傷後約 2 か月の時点で経過良好なため終診となった(図 4)。
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