公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.019:類似事例:クーハン内で発生した窒息(No.19 子守帯(スリング)内で発生した心肺停止の類似事例1)

タイトルクーハン内で発生した窒息(No.19 子守帯(スリング)内で発生した心肺停止の類似事例1)
事例年齢:0 歳 1 か月 15 日 性別:男 体重:3.3kg 身長:44cm
傷害の種類窒息
原因対象物クーハン
臨床診断名窒息による急性呼吸不全
医療費約 57 万円
発生状況
_発生場所
自宅寝室
発生状況
_周囲の人・状況
母親と双胎の兄が隣の布団で寝ていた。
発生状況
_発生時刻
2015 年 12 月 15 日 午前 4 時 55 分ごろ
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
双胎第 2 子・早産低出生体重児(在胎 36 週 6 日、2158g)のため NICU に入院
歴がある。退院後布団では寝付けない様子だったため、囲みがあれば落ち着く
のではないかと考えて普段よりクーハンの中で児を眠らせていた。クーハンは
母の顔の高さと同じになるようにしてたたんだ毛布の上に置いていた。退院か
ら 10 日目(である当日)、母が目を覚ますと毛布が崩れてクーハンが傾いてお
り、クーハンの側面に児の顔面が押し付けられてぐったりとうつ伏せになって
いた。救急車要請し、救命救急センターに搬送された。
治療経過と予後救急隊現着時には体温 32.9 度で呼吸は弱く、全身蒼白だった。マスク&バッグ
換気で呼吸は回復し、来院時には呼吸状態は保たれていた。身体所見上は明ら
かな異常はなかった。血液検査では呼吸性アシドーシス(pH 7.225, pCO2 60.6,
HCO3- 24.3, BE -3.4)および、AST 218 IU/l, ALT 173 IU/l, LDH 1260 IU/l,
CPK 912 IU/l と逸脱酵素の上昇がみられたが、経過とともに改善した。心疾患
や胃食道逆流・代謝疾患・感染症など急性呼吸不全の原因となりうる疾患は否
定的で、入院中のモニター観察でも呼吸・循環動態に問題がなかったことから、
クーハンでの窒息によると判断した。退院前の頭部 MRI 検査では異常所見はな
かった。両親へはクーハンは移送のためのものであり、眠らせる目的で使用し
ないように指導し、第 13 病日に退院した。発症から 2 か月の時点では明らかな
神経学的異常は認めないが、発達のフォローアップを継続する予定である。
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