公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.013:類似事例:アルカリボタン電池の誤飲による消化管異物 (No.13 リチウム電池の誤飲による食道粘膜損傷の類似事例 5)

タイトルアルカリボタン電池の誤飲による消化管異物
(No.13 リチウム電池の誤飲による食道粘膜損傷の類似事例 5)
事例年齢:1 歳 11 か月 性別:男児 体重:13.9kg 身長:86.8cm
傷害の種類異物誤飲
原因対象物アルカリボタン電池 LR41 直径 8 ㎜ 高さ 4 ㎜の円柱(図 1)
※マジックライトペンの内蔵電池(図2)
臨床診断名アルカリボタン電池による消化管異物
医療費11,600 円
発生状況
_発生場所
マジックライトペンは、自宅の居間にある高さ 120cm 程度の棚の上に、
箱にいれて置いていた。棚は患児が手を伸ばせば届く高さであった。
発生状況
_周囲の人・状況
父母本児の 3 人暮らし。午前 7 時半頃父が自宅を出る際には、本児は特
に普段と変わりなく遊んでいた。午前 9 時に母が起床した際、本児は居
間で遊んでおり、フタの開いたペンが床に落ちていた。
発生状況
_発生時刻
2019 年 10 月 X 日(金) 午前 9 時 00 分
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
数か月前におもちゃのマジックライトペンを入手した。対象年齢は 6 歳
以上と記載されていた。
上記時刻に、ペンを入れていた箱と中にあったはずのペンが居間の床に
落ちているのを母が発見した。ペン内臓電池の入っているフタが開いて
おり、3 つ入っていたボタン電池は、1つしか残っていなかった。本児
は機嫌よく無症状であったが、電池を誤飲した可能性があると考え、医
療機関を受診した。X 線検査でボタン電池が胃と小腸に1つずつ認めら
れ、高次医療機関へ紹介となった。
治療経過と予後紹介先の医療機関を受診時、バイタルサインは正常で、本人は機嫌良好
であった。来院時点(午前 10 時半)では X 線写真上ボタン電池は同部
位にあったが、同日午後 2 時の X 線写真では 2 個とも腸管まで進んで
いたため、そのまま経過観察とした。帰宅後も特に腹部症状は認められ
ず、X+1日に便とともに 2 個排出された。
おもちゃを入手した時、電池が入っているフタは、乳幼児では簡単に開
けることができない仕組みになっていた(図 2)。本児は歯でものを咬む
癖があり、電池のフタ部分の強度が低下し、幼児でも簡単に開けること
ができるようになっていたため、本事例が発生したと推測される。
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