公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.003,011:類似事例:ビー玉の誤飲による喉頭異物(No 3, 11 スーパーボールの誤飲による窒息の類似事例 4

タイトルビー玉の誤飲による喉頭異物(No 3, 11 スーパーボールの誤飲による窒息の類似事例 4
事例_基本情報年齢:1 歳 11 か月 性別:男児 体重:12kg 身長:81cm
事例_家族構成父親、3 歳兄、本児の 3 人暮らし
事例_発達・既往歴特記事項なし
傷害の種類
原因対象物
_対象名称
ビー玉
原因対象物
_入手経路 使用状況
本人が拾ってきたもの
臨床診断名喉頭異物・急性呼吸不全
医療費入院 約 600,000 円
発生状況
_発生場所
自宅の居間
発生状況
_周囲の人・状況
午後 8 時に父、兄とともに保育園から帰宅後、兄と一緒に遊んで
いた。父は台所で、居間の様子が見えるところにいた
発生状況
_発生時刻
2020 年 7 月 X 日 (月) 午後 8 時 10 分
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
上記時刻に、居間で遊んでいた本児が突然うなるような声を出
した。父親がすぐに駆けつけたところ、本児は苦しそうに呼吸を
していた。そばにビー玉が落ちていたことから、異物誤飲と考え
救急要請した。
午後 8 時 24 分に救急隊が到着した時、本児は顔面蒼白で口唇
チアノーゼを認めた。背部叩打法を行うも異物は排出されず、酸
素投与を開始後に救急搬送された。
原因となったビー玉はもともと自宅にあったものではなく、本
児が発生同日の帰宅時にマンション入り口の生垣から拾ってきた
ものと思われた。生垣部分は、苔で覆われた地面に高さ 70cm 程
の低樹木が植えられている。一部苔の剥がれた箇所を覆い隠すた
め、マンション管理人がゴミ置場から瓦、石、ビー玉などを集め
てきて充填していた。半年前にも一度、本児がここからビー玉を
拾ってきて、父親が誤飲の危険性を考え廃棄したことがあった。
治療経過と予後午後 8 時 34 分、医療機関 A(総合病院)に到着時、SpO2 100%
(酸素 10L /分マスク投与下)であったが、流延があり、吸気時に
喘鳴を聴取した。単純 X 線検査で、喉頭(声門上)と思われる部
位に球形異物を認めた。同院での対応は困難と判断され、医療機
関 B(大学病院)の耳鼻咽喉科に紹介、転送された。
午後 9 時 53 分、医療機関 B に到着した。意識は清明で、心拍
数 173 回/分、呼吸数 51 回/分、SpO2 100%(酸素 2L /分マスク投
与下)であった。吸気時に喘鳴を聴取した。再度単純 X 線検査を
行い、異物が 1 つのみであることと、停滞位置に変動がないこと
を確認した(図 1)。仰臥位では喘鳴が顕著であったが、側臥位で
は喘鳴や呼吸努力所見が軽減した。
翌(X+1 日)午前 0 時 03 分、手術室で麻酔科医により麻酔導
入された。迅速導入直後に SpO2 が急激に低下し、マスク換気が不
能となった。喉頭展開すると、異物は喉頭腔に陥頓して声門を完
全に覆っていた。直視下に異物をマギール鉗子で摘出後、気管挿
管した。呼吸状態の安定化を確認し、午前 0 時 48 分に抜管した。
術後は集中治療室で管理した。呼吸状態は安定して経過し、X+2
日朝の胸部単純 X 線写真で異常がないことを確認後、同日夕方に
退院した。
摘出した異物は直径 17 ㎜大のビー玉であった(図 2)。
キーワード炊飯器,熱傷