公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.150 点鼻薬による急性薬物中毒の疑い⃝同

タイトルNo. 150 点鼻薬による急性薬物中毒の疑い⃝同
事例_基本情報年齢:3 歳 1 か月  性別:男児  体重:13.9 kg  身長:88.4 cm
事例_家族構成両親,兄(6 歳),本児
事例_発達・既往歴特記事項なし
傷害の種類
原因対象物
_対象名称
イミダゾリン系点鼻薬(15 mL)
原因対象物
_入手経路 使用状況
父が鼻炎で病院を受診し処方された薬剤(図 1)
臨床診断名急性薬物中毒の疑い
医療費外来 2,000 円
発生状況
_発生場所
自宅
発生状況
_周囲の人・状況
自宅には父と本児の二人がいた
発生状況
_発生時刻
2024 年 6 月 X 日(土)  午前 11 時 0 分
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
父が鼻炎で A 医療機関を受診しイミダゾリン系点鼻薬を処方された.本児も同様の症状を
呈していたため,本児への適応を A 医療機関に電話で確認し,3 歳ではあったが,症状に
注意しながら成人と同様に使用してよいと医師より電話で指示を受けた.そのため,午前
11 時 0 分 正しい用法で容器を上向きに持ち,先端部分を本児の鼻孔内に入れて容器の胴
部を各鼻孔に 1 回ずつ押して鼻腔内に噴霧した.噴霧後,鼻孔から噴霧内用液が多量にあふ
れた.
午後 0 時 0 分頃 本児は昼食をほとんど摂取できず腹痛を訴えた後に入眠した.
午後 4 時 0 分頃 買い物のため家族で外出したところ,本児は顔色不良,口唇チアノーゼ,
活気不良を呈し歩行困難となったため,抱っこで移動した.
午後 5 時 30 分頃 本児に食物残渣様の嘔吐があった.嘔吐後に顔色不良は改善した.
午後 7 時 0 分頃 #7119 に相談したところ,救急要請するよう指示を受けたため救急車を
要請し,B 医療機関受診となった.
治療経過と予後B 医療機関受診時のバイタルサインは,呼吸数 24 回/分,経皮的動脈血酸素飽和度 98%(室
内気),心拍数 88 回/分,やや傾眠傾向ではあるものの全身状態は良好であった.イミダゾ
リン系点鼻薬による急性薬物中毒の可能性を考え,B 医療機関内での経過観察を行った.症
状は次第に改善傾向で午後 9 時 0 分に診察終了し帰宅となった.その後症状は再燃なく経過
した
キーワード点鼻薬,急性薬物中毒