No.135 収納付きソファの蓋で頸部が挟まったことによる窒息疑い
| タイトル | No. 135 収納付きソファの蓋で頸部が挟まったことによる窒息疑い |
| 事例_基本情報 | 年齢:1 歳 8 か月 性別:男児 体重:11.2 kg 身長:79.3 cm |
| 事例_家族構成 | 父,母,本児,同胞 5 名:全員男児(6 歳,4 歳,1 歳 8 か月(本児と双胎),1 か月) |
| 事例_発達・既往歴 | 特記事項なし |
| 傷害の種類 | |
| 原因対象物 _対象名称 | 収納付き 3 人掛けソファ,寝椅子付(図 1) |
| 原因対象物 _入手経路 使用状況 | 入手時期不明.輸入大型家具店で購入.ソファの収納部分におもちゃを入れていた.普段は 収納蓋を開いたままにするときがあり,蓋の下にクッションなどを挟み閉まらないようにし ていたが,最近は挟むのをやめていた.また,保護者からの聴取によると,収納部分の蓋は 1 歳児では開けることが困難であり,4 歳児でも全開にするのは難しいものであった. |
| 臨床診断名 | 窒息,呼吸不全,陰圧性肺水腫,心停止後症候群 |
| 医療費 | 入院 2,932,770 円 |
| 発生状況 _発生場所 | 自宅,リビングの隣の和室 |
| 発生状況 _周囲の人・状況 | 本児,4 歳,1 歳 8 か月の同胞 3 人でソファのある和室で遊んでいた.父は隣のリビングで テレビを見ており,ソファは死角で直接は見ることができていなかった.6 歳同胞は 2 階, また 1 階のベビーベッドに 1 か月同胞がいた.母は外出中であった(図 2). 当日朝,母はソファの収納部分が閉まっていることを確認していた.その後,父がソファの 収納蓋を開け(時間は不明),クッションは挟んでいなかった. |
| 発生状況 _発生時刻 | 2022 年 12 月 X 日(日) 午前 11 時 50 分 |
| 発生状況 _発生時の詳しい様子と経緯 | 父が部屋を出て,5 分後にリビングに戻ってきたところ,本児が頭を収納に入れ(図 1,図 2),頸部がソファの収納の蓋と収納の間に挟まっているところを発見した.呼吸,体動を認 めず,父により胸骨圧迫,人工呼吸を開始し救急要請した.CPR 中に鼻出血,その後に咳 嗽が出現し,呼吸は再開した.救急隊接触時,JCS III-200.搬送までの最良のGCSはE1V2M2 であった. |
| 治療経過と予後 | 医療機関 A へ搬送後に気管挿管,人工呼吸管理を開始し,集中治療管理目的に医療機関 B へ転院となった.転院前のバイタルサインは体温 38.2℃,心拍数 180 回/分,血圧 92/51 mmHg,SpO2 100%(人工呼吸管理,FiO2 1.0,PIP/PEEP 30/15).P/F 比は 300 であった. 医療機関 B へ転院後は集中治療室に入室し,陰圧性肺水腫(図 3),心停止後症候群として, 頸椎保護,人工呼吸管理,体温管理療法,持続脳波管理を開始した.来院時の頭部 CT では 脳内出血や,脳浮腫はなく,頸椎も異常はなかった.また,持続脳波検査ではミダゾラムに よる鎮静下で明らかな突発波は認めなかった.呼吸器条件は FiO2 0.6,PIP/PEEP 25/10 と 高設定を要し,アドレナリン持続投与が必要となった.その後,経時的に呼吸・循環は改善 し,呼吸器条件や血管作動薬は漸減が可能であった.X+4 日目に鎮静,人工呼吸管理終了. この時点の GCS は E4V4M6 で,経過中に臨床的な痙攣はなかった.四肢麻痺はなく,頸椎 保護管理も終了した.X+6 日目に一般病棟に転棟し,X+8 日目に退院となった.退院時 は,GCS E4V5M6,活気もあり会話できるが,立位保持は困難で,長期臥床による筋力低 下が考えられた.退院 2 週後の外来受診時には回復し,独歩も可能となっていた.その他に 明らかな神経学的後遺症は認めていない |
| キーワード | 収納付きベッド,収納付きソファ,窒息 |
