公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.121 金属片を内蔵した加熱式タバコの誤飲による消化管異物

タイトルNo. 121 金属片を内蔵した加熱式タバコの誤飲による消化管異物
事例_基本情報年齢:0 歳 11 か月  性別:女児  体重:10.5 kg  身長:74.2 cm
事例_家族構成父,母,本児
事例_発達・既往歴特記事項なし
傷害の種類
原因対象物
_対象名称
加熱式タバコ 金属片内蔵タバコスティック
原因対象物
_入手経路 使用状況
父が使用している加熱式タバコ.父は日頃から洗面所にある棚(高さ約 100 cm)に置いて
いた.本児が時々棚の上を触っており,平時より母はタバコ誤飲を心配して,父に管理につ
いて注意するように伝えていた.
臨床診断名タバコ誤飲・金属片誤飲
医療費入院 238,110 円
発生状況
_発生場所
自宅の洗面所
発生状況
_周囲の人・状況
母と本児は,入浴後に洗面所に一緒にいた.母は更衣をしていた.同室にある棚の上にパッ
ケージが空いているタバコスティックの箱が置かれていた.
発生状況
_発生時刻
2021 年 11 月 X 日(火)  午後 10 時頃
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
母が洗面所で更衣をしている時に,一緒にいた本児がタバコスティックを誤食したことに気
づいた.母は本児の口腔内からタバコを取り出そうと試みたが,本児が飲み込んでしまっ
た.嘔吐などの症状の出現はなかったが,約 1 時間後に受診した.
治療経過と予後来院時にバイタルサイン,消化器症状を含めて何も異常を認めなかった.母が持参したタバ
コスティックは口に含むフィルター部以外が無くなっており,内属されている金属片も無く
なっていた.腹部 X 線検査により胃内に X 線非透過性の異物が認められた(図 1a).ニコ
チンによる中毒症状,および金属片誤飲のため経過観察を目的として入院した.X+1 日目
から食事と水分の摂取を開始したが,症状は認められなかった.X+2 日に再度行われた X
線検査でも異物が確認されたが(図 1b),その後間もなく(誤飲から約 45 時間後)便とと
もに金属片が排出された(図 2).金属片による血便などの合併症も認められず,X+3 日に
退院した.入院中に両親に対して再発予防に関する説明を行った.
キーワード加熱式タバコ,誤飲,金属片,消化管異物