公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.113 フッ素入り子ども用歯磨剤の誤食による急性フッ素中毒疑い

タイトルNo. 113 フッ素入り子ども用歯磨剤の誤食による急性フッ素中毒疑い
事例_基本情報年齢:1 歳 5 か月  性別:男児  体重:10.5 kg  身長:73 cm
事例_家族構成父,母,兄(2 歳)
事例_発達・既往歴特記事項なし
傷害の種類
原因対象物
_対象名称
フッ素入り子ども用歯磨剤
(フッ素濃度 950 ppm/対象年齢記載は無し)
原因対象物
_入手経路 使用状況
歯磨剤は兄が日頃から使用しているもの
本児は普段歯磨剤を使用していない
普段は自宅の洗面所の上の棚に置いていた
臨床診断名急性フッ素中毒疑い
医療費入院 156,430 円
発生状況
_発生場所
洗面所
発生状況
_周囲の人・状況
兄はいたが見ていない.母は別の場所にいたため大人の目撃なし.
発生状況
_発生時刻
2021 年 10 月 X 日(日)  午前 5 時 30 分頃
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
兄が朝歯磨きをした後,歯磨剤を洗面台(高さ約 80 cm)に置いていた.午前 6 時半頃に自
宅で嘔吐が出現し,吐物の中に歯磨剤も少量あった.その後も嘔吐が 2 回あり,午前 7 時半
ごろ(事故発生から約 2 時間後)に外来受診となった.
吐物に歯磨剤が少量混在していたこと,開封したばかりの歯磨剤の量が減っていたことなど
から,誤食を疑った.おそらく本児が椅子に乗って洗面台にある歯磨剤を取り誤食したと思
われた.歯磨剤の誤食量は,残量から考慮すると 30 g 程度と考えられた.
治療経過と予後経緯からフッ素中毒による消化器症状を考えた.来院時は活気の低下もなく,血液検査や画
像検査でも特に異常所見はなかった.補液を行いつつ経過観察の方針とした.水分・食事摂
取が可能なことを確認して第 2 日目に退院とした.合併症などは退院後も発生していない.
キーワードフッ素入り子ども用歯磨剤,誤食,急性フッ素中毒