公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.074 ビーズ型芳香消臭脱臭剤による気管支閉塞

タイトルNo. 74 ビーズ型芳香消臭脱臭剤による気管支閉塞
事例年齢:0 歳 10 か月  性別:男児  体重:10kg  身長:72cm
傷害の種類左主気管支閉塞
原因対象物ビーズ型芳香消臭脱臭剤(乾燥していない状態でのサイズ:直径 10mm)
臨床診断名急性アルコール中毒
医療費497,280 円
発生状況
_発生場所
自宅
発生状況
_周囲の人・状況
消臭剤は詰め替えタイプで,容器のなかにビーズ型芳香消臭脱臭剤が入っている.乾燥する
際に消臭効果を発揮する製品であったが,すでに乾燥して縮んだものが,容器に入った状態
で本児の手の届く範囲に置かれていた.
発生状況
_発生時刻
2017 年 2 月 2 日  午後 9 時 30 分
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
午後 9 時半ごろ,自宅で母の目が離れた隙に,ビーズ型芳香消臭脱臭剤が乾燥して直径 3mm
程度に小さくなったものを口に含んでいた.母が発見し,口から 2 粒掻き出した.夜間は特
に変わった様子はなかったが,翌日に機嫌が悪いのが気になり外来を受診した.経過中突然
咳き込むようなエピソードはなかった
治療経過と予後受診時,顔色不良,酸素化不良(SpO2 58%)を認め,外来で気管挿管を実施した.胸部 X
線写真で右と比較して左肺の含気低下を認め,左主気管支異物が強く疑われた.透視下に軟
性気管支鏡で確認すると,ビーズ型芳香消臭脱臭剤と思われるゼリー状の物質(児が口に入
れていた消臭剤の原型と外観が同じもの)により左主気管支が閉塞されていた.異物を鉗子
でつまんだ際に,異物の形が崩れたが,可能な限り吸引により除去した.閉塞が解除された
後,左肺の含気は改善した.翌日抜管し,その後呼吸状態の悪化なく経過した.一時的に発
熱したが,呼吸状態は保たれていたため経過観察とし,自然に解熱した.全身状態は良好で
あり入院 4 日目に退院した.
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