公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.037 オートバイによる頭部外傷

タイトルNo. 37 オートバイによる頭部外傷
事例年齢:6 歳 4 か月 性別:男
体重:19kg 身長:120cm
傷害の種類頭部打撲
原因対象物小児用オフロード専用バイク
臨床診断名1.頭蓋骨多発骨折(左前額部―眼窩外側,右前額部―眼窩上壁,蝶形骨)
2.右眼瞼周囲皮下血腫 3.急性硬膜外血腫 4.気脳症
医療費971,970 円
発生状況
_発生場所
自宅の庭
発生状況
_周囲の人・状況
父が 50cc の小児用オフロード専用バイクを本児のために購入し,自宅の庭で,初めて乗車
する機会であった.ヘルメットは装着していなかった.
発生状況
_発生時刻
2012 年 10 月 23 日 午後 6 時 00 分頃
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
患児がバイクに乗ってエンジンをかけた際,父は目を離していた.その間にバイクが発進し,
バイクの前輪とブロック塀が衝突した.その反動で頭から前方に飛び出し,前頭部をブロッ
ク塀に強打した.右眼瞼部腫脹と眼窩部を取り巻くような皮下出血を来たし,引き続き,
嘔気,嘔吐を認めた.頭蓋内出血と眼窩底骨折を疑われ,当院に搬送となった.
治療経過と予後受診時,意識障害はないものの,左前額部―眼窩外側,右前額部―眼窩上壁,蝶形骨の多
発骨折を認め,頭蓋内出血の増大が予測され,厳重な経過観察が必要であったため入院と
した.頭蓋骨骨折による気脳症があり,続発性感染症も危惧され,CTRX の静注を行った.
重度の疼痛があったため強力な鎮痛を行い,安静臥床にて経過を観察した.幸いにも,回
復期を含め,明らかな知的障害やけいれん,意識障害,性格変化や麻痺などの神経学的異
常を認めなかった.受傷後 17 日に全身状態は改善し,退院とした.今後は注意深く,soft
neurological sign等の評価も加えて,神経障害の徴候を長期にわたって観察する必要がある.
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