公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.034 歯ブラシによる刺傷_2

タイトルNo. 34 歯ブラシによる刺傷_2
事例年齢:1 歳 9 か月 性別:男 体重:12kg 身長:82cm
傷害の種類刺傷
原因対象物子ども用歯ブラシ
臨床診断名右頬粘膜損傷
医療費
発生状況
_発生場所
自宅の居間
発生状況
_周囲の人・状況
父親は不在で,母親と 4 歳の姉,患児の 3 人が自宅にいた.
発生状況
_発生時刻
2012 年 2 月 29 日 午後 8 時頃
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
就寝前の歯磨きの準備として,患児と姉に各自用の歯ブラシ(写真 2)を手渡しておき,
母親は夕食後の後片付けとしてテーブル拭きをしていた.患児が歯ブラシをくわえたまま
駆け寄ってきて,母親の背中に勢いよく抱きついた.その瞬間に異変を感じ,泣いて痛が
る患児の口腔内を見ると,歯ブラシの先端が右頬粘膜に刺さっていた.慌てて歯ブラシを
抜去したところ,出血は少なかったが,創部から組織が溢出してきて大きくなった.閉口
できず流涎の状態となったため,近医の救急外来を受診した.
治療経過と予後歯科・口腔外科において,頬脂肪体の逸脱を伴う右頬粘膜損傷と診断され(写真 3),入院
して補液と抗菌薬の投与が開始された.
翌日,全身麻酔下で手術となり,逸脱した頬脂肪体には耳下腺管が含まれていなかったため
そのまま摘出された.耳下腺管に損傷はなく,再建を要しないことが確認されて創部は縫合
された.
手術後 3 日で退院し,その後も合併症はなく良好に経過している.
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