公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.121:類似事例:金属片を内蔵した加熱式タバコに誤飲によるニコチン中毒 (No.121 金属片を内蔵した加熱式タバコの誤飲による消化管異物の類似事例 10)○

タイトル金属片を内蔵した加熱式タバコに誤飲によるニコチン中毒
(No.121 金属片を内蔵した加熱式タバコの誤飲による消化管異物の類似事例 10)○
事例_基本情報年齢:0 歳 9 か月 性別:女児 体重:8.1kg 身長:70.2cm
事例_家族構成父、母、本児
事例_発達・既往歴在胎 38 週 5 日、出生体重 3,112g、寝返りやずりばい可
傷害の種類
原因対象物
_対象名称
加熱式タバコ 金属片内蔵タバコスティック
原因対象物
_入手経路 使用状況
不明
臨床診断名タバコ誤飲、ニコチン中毒
医療費入院 175,820 円 外来 3,600 円
発生状況
_発生場所
自宅の居間。加熱式たばこはゴミ箱に捨ててあった。
発生状況
_周囲の人・状況
加熱式たばこは使用後にゴミ箱に捨てていた。母と 2 人のときに
発生。
発生状況
_発生時刻
2025 年 4 月 X 日 (金) 午前 7 時 50 分
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
X 日朝 7 時 50 分頃に、使用後ゴミ箱に捨てていた加熱式たばこ
を児が食べていることに母が気づいた。気づいた時には半分く
らい食べていた。母が慌てて口の中に残っている分をかきだし
て、全部かきだせたと思ったのですぐにミルクを哺乳させた。
普段通りの量を全量哺乳後に遊んでいたが、徐々に口唇色不良
となり横にしたら大量に嘔吐した。嘔吐物にはたばこの葉の部
分が混じっていた。医療機関 A に連絡し受診し、2 回目の嘔吐
があった。金属片はまだ出てきておらず、顔色不良も持続して
おり、医療機関 B に紹介受診となった。
治療経過と予後10 時すぎに医療機関 B に来院。到着時、バイタルサインに異常
はなかったが、GCS E4V4M6 で活気なくウトウトしていた。誤
飲後すぐミルクを哺乳させたことによりニコチン吸収が進んだ
可能性があると判断し、静脈路を確保し、活性炭 8g を胃管より
投与した。静脈路確保の前後で SpO2 90%前後と低下したため、
酸素投与を行った。胸腹部 X 線検査(図)では金属片は小腸内に
位置すると判断した。活性炭を投与した後、顔色不良は改善し、
酸素も中止でき、意識も改善した。経過観察目的で入院、経過良
好で X+1 日退院した。X+3 日再診時に腹部 X 線を撮像し金属片
の排出を確認した。
キーワード加熱式タバコ誤飲、ミルク、ニコチン中毒