公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.135:類似事例:電動ソファのフットレスト下の金具に挟まれて発生した頭部外傷(No.135 収納付きソファの蓋 で頸部が挟まったことによる窒息疑いの類似事例 1)○

タイトル電動ソファのフットレスト下の金具に挟まれて発生した頭部外傷(No.135 収納付きソファの蓋
で頸部が挟まったことによる窒息疑いの類似事例 1)○
事例_基本情報年齢:5 歳 2 か月 性別:男児 体重:17.7kg 身長:108.3cm
事例_家族構成父、母、姉(12 歳)、兄(9 歳)、本児
事例_発達・既往歴特記事項なし
傷害の種類
原因対象物
_対象名称
3 人掛け電動リクライニングソファ
奥行 91-154cm 高さ 90-74cm 座高 39cm 重量 85kg
原因対象物
_入手経路 使用状況
約 10 年前に購入、自宅リビングで使用
普段からソファの下へ潜り込むような行動は本児やきょうだい
には無く、今までソファに関連した傷害も起きていなかった。ま
た、電動ソファには挟み込みを感知して自動で停止するような緊
急停止機構は備わっていなかった。
臨床診断名頭部挫創
医療費外来 68,850 円 入院なし
発生状況
_発生場所
自宅リビング
発生状況
_周囲の人・状況
父と本児がリビングで過ごしていた。母と兄、姉は寝室で就寝中
であった。
発生状況
_発生時刻
2025 年 5 月 X 日 (日) 午前 0 時 0 分
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
夕食後、本児はリビングで過ごしていた。ソファには座らず、絨
毯の上に座ってソファを背もたれにしながらテレビを見ていた。
父親はソファをリクライニングの状態にして横になり、そのまま
眠ってしまっていた(図 1)。しばらくしてから父親が目を覚ま
し、ベッドに移動しようと思い、リクライニングから元の状態に
戻すため、本児がソファの下で眠っていることは気づかず、スイ
ッチを操作しフットレストが上がっている位置から下げた(図
2)。そのとき、フットレストが収納される部分の金具(図 3)に
本児の頭部(頭部の向き、上半身が挟まれていたかは不明)が挟
まり受傷した。父の推測では、本児は、座っていた状態からその
まま横になり、リクライニングソファのフットレストの下に頭を
入れた状態で眠ってしまっていたと考えられるとのことであっ
た。受傷直後に医療機関を walk-in で受診した。
治療経過と予後来院時、本児の意識は清明で、その他のバイタルサインに異常を
認めなかったが、左頭頂部に 30mm 程度の挫創(図 4)が認めら
れた。創部はポケットを形成し、一部フラップ様となっていたた
め、創部の確認が必要と判断し、脳外科医師に診察を依頼した。
局所麻酔下に創部を観察すると、フラップ状の創部の一部から動
脈性の活動性出血が認められたため、電気メスで血管処置をし、
止血を確認した後にステープラで縫合した。また受診当初、患者
の受傷機転は不明であったため、医師は頭部 CT を撮像した。CT
画像の結果、頭蓋骨骨折および頭蓋内出血を認めなかった。ソフ
ァの構造については、保護者が持参した写真(図 3)によって判明
した。同日午前中に創部確認を行い、以降は自宅での処置を継続
した。X+6 日に全抜鈎を行い終診とした。経過中に創部感染等の
合併症はなかった。
キーワード電動ソファ、ソファ、頭部挫創、挟まれ