公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.121:類似事例:加熱式タバコの誤飲による消化管異物(No.121 金属片を内蔵した加熱式タバコの誤飲によ る消化管異物の類似事例 5)

タイトル加熱式タバコの誤飲による消化管異物(No.121 金属片を内蔵した加熱式タバコの誤飲によ
る消化管異物の類似事例 5)
事例_基本情報年齢:1 歳 0 か月 性別:男児 体重:11.5kg 身長 80cm
事例_家族構成父、母、姉(8 歳)、姉(6 歳)、本児
事例_発達・既往歴特記事項なし
傷害の種類
原因対象物
_対象名称
ここをクリックしてテキスト入力加熱式タバコ 金属片内蔵タバコス
ティック
原因対象物
_入手経路 使用状況
前日に父が新品を近隣のコンビニエンスストアで購入
父は 1 日 15 本ほどを日常的に喫煙している
臨床診断名タバコ誤飲・金属片誤飲
医療費入院 25,893 円
発生状況
_発生場所
自宅
発生状況
_周囲の人・状況
姉 2 人とリビングで遊んでいた。父は隣室でテレビ鑑賞。母は出
勤して不在。
発生状況
_発生時刻
2022 年 3 月 X 日 (日) 午前 7 時 30 分
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
2022 年 3 月 X 日午前 7 時半ごろ、姉たちはゲーム・本児は高さ
約 50cm の机につかまり立ち、遊んでいた。母は出勤して不在、
父は隣室でテレビを見ていた。午前 8 時半に本児が嘔吐し、吐物
にタバコの葉が付着していた。本児がつかまり立ちしていた机を
父がみると、机上に載せていた新品の加熱式タバコ(元々封を切
られた状態で置いていた)のふたが開いており、フィルター部分
を残して 1 本無くなっていることに気付いた。午前 10 時に医療
機関を受診した。
治療経過と予後本児は無症状であったが、単純 X 線写真で鋭利な金属片が胃内に
認められた【図1(a)(b)】。消化管損傷・穿孔のリスクあり、小児科
医・麻酔科医・消化器内科医の協働のもと、午後 0 時半に全身麻
酔下で上部消化管内視鏡による摘出術を施行した。胃内には異物
を認めず、十二指腸の下行~水平脚近位まで内視鏡を挿入して観
察したが、やはり異物は観察できなかった。十二指腸角は浮腫を
認め、異物の通過後の変化と思われた【図2】。内視鏡による摘出
は困難と判断、観察のみで終了となり、同日退院になった。退院後
外来を予定していたが、X+1日の午後 8 時ごろ、おむつ内に排泄
された便中に異物があることを父が確認したと電話にて連絡があ
ったため外来受診はない。
行った治療・処置:全身麻酔、上部消化管内視鏡的摘除術
入院日数:1 日間(うち集中治療室 0 日)、合併症・後遺症:なし
転帰・予後:良好
キーワード加熱式タバコ、誤飲、金属片、消化管異物