公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.109:類似事例:高吸水性樹脂球の誤飲による腸閉塞(No109 高吸水性樹脂球の誤飲による腸閉塞の類似事 例 5)

タイトル高吸水性樹脂球の誤飲による腸閉塞(No109 高吸水性樹脂球の誤飲による腸閉塞の類似事
例 5)
事例_基本情報年齢:5 歳 性別:男児 体重:14.6kg 身長:103.5cm
事例_家族構成父(47 歳)、母(37 歳)、兄(9 歳)、姉(6 歳)、本児
事例_発達・既往歴特記事項なし
傷害の種類
原因対象物
_対象名称
高吸収性樹脂球(何種類かを組み合わせて使用していた。膨らむ
前は数 mm 程度で、膨らむと 2-3cm 大になる、図 1)
原因対象物
_入手経路 使用状況
100 円均一ショップで購入(複数の店舗で)し、以前から複数回、同
胞と本児が入浴中に膨らませて遊んでいた。膨らんだボールを使
って屋外で遊んだりもしていた。未使用のものは両親が管理して
いたが、使用後は子どもたちで管理していた。
臨床診断名高吸水性樹脂球の誤飲による腸閉塞
医療費入院 1,259,460 円 外来 4,100 円
発生状況
_発生場所
自宅の風呂
発生状況
_周囲の人・状況
姉と入浴していた。両親は浴室にはいなかった。
発生状況
_発生時刻
2022 年 3 月 X 日 (日)
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
X 日夕方、本児と姉は入浴時に大量の高吸水性樹脂球で遊んでい
た。その後も、X+5 日に、本児が対象物をかじっていたという姉
(6 歳)の目撃情報はあるが、両親は確認していない。X+7 日に
嘔吐、腹痛が出現した。医療機関 A を受診するも胃腸炎として帰
宅となった。X+9 日に、症状継続するため再診し、医療機関 A
で CT 検査(図 2)を施行し、腹水を伴う腸閉塞として同日医療
機関 B へ紹介受診となった。
治療経過と予後医療機関 B 受診当日に腹部超音波検査で小腸内異物を確認した
(図 3)。当初、対象物を誤飲したエピソードはなかったが、改
めて病歴を聴取すると上記の内容が出てきたため、高吸水性樹脂
球の誤飲による腸閉塞と診断し、同日に緊急手術を施行した。手
術に関しては、臍上に小切開を加え開腹し、小腸を創外部に挙上
して観察したところ、腸管外壁から異物を同定できたので(図
4)、同部位に長軸方向に切開を加え、異物を摘出した。その後、
拡張腸管の内容物を全て回収した。X+12 日までの排泄物も全て
含めて、その他の異物は腸管内に認めなかった。術後は閉塞性腸
炎、麻痺性イレウスを認めていたものの、減圧・抗菌薬加療で改
善し、X+13 日日から食事開始し、X+18 日に退院となった。外
来通院中は経過良好で合併症は認めなかった。
キーワード高吸収性樹脂球、 水で膨らむボール、異物誤飲、腸閉塞