公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.106:類似事例:ジェルボール型洗剤の誤飲による肺炎(No.106 新しいタイプの洗剤(アロマディフューザー の液を誤嚥したことによる化学性肺炎の類似事例 2))

タイトルジェルボール型洗剤の誤飲による肺炎(No.106 新しいタイプの洗剤(アロマディフューザー
の液を誤嚥したことによる化学性肺炎の類似事例 2))
事例_基本情報年齢:1 歳 5 か月 性別:女児 体重:10.2kg 身長:75cm
事例_家族構成母(26 歳)、父(27 歳)、同胞なし
事例_発達・既往歴なし
傷害の種類
原因対象物
_対象名称
ジェルボール型洗濯洗剤
原因対象物
_入手経路 使用状況
発生 2 ヶ月前くらいに近隣のホームセンターで購入。普段使い。
臨床診断名誤嚥、肺炎
医療費入院 85,658 円 外来 590 円
発生状況
_発生場所
洗面所においていた 4 段引き出し棚の最下段に保管していた。子
ども用ストッパーをつけていたが粘着が弱くなっていた。引き出
しの手前には柔軟剤のボトルを、その奥に今回誤飲したジェルボ
ールの箱を置いていた。
発生状況
_周囲の人・状況
洗面所に父、別室のリビングに母がいた。
発生状況
_発生時刻
2021 年 6 月 X 日 (水) 午後 2 時 30 分頃
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
父が洗面所で髭剃り中に、児が父を追って洗面所にやってきた。
気づくと児が引き出しに収納していた洗濯用洗剤を取り出してお
り、その中のジェルボール 1 つを口に運んでいた。1/3 くらいの
内容物がフィルムから出ていた。口腔内に残っていた洗剤を母が
水で約 5 分間洗浄した。複数の医療機関に連絡したがつながら
ず、救急要請した。救急要請直前に、救急車内で 2 回の嘔吐を認
めた。
治療経過と予後医療機関病着時(午後 3 時)、意識清明で、体温 36.1℃、SpO2 90%
前後(室内気)、呼吸数 20 回/分、脈拍 159 回/分であった。口腔か
らは洗剤の香りがした。胸部聴診で rhonchi、stridor、wheeze を
聴取した。静脈血液ガス pH 7.297、pCO2 45.4、HCO3- 21.5、BE
-4.5。胸部単純 X 線で浸潤影は認めなかった。病着後も 3 回、胃
内容物を嘔吐し、適宜気道分泌物と胃内容物の吸引が施行された。
酸素需要と代謝性アシードシスを認めたため、酸素投与下に入院
した。
入院後は、酸素化は改善し、室内気で SpO2 95%以上を維持し、誤
飲後約 5 時間後(午後 7 時 30 分)の静脈血液ガスは pH 7.358 に改
善したが、誤飲後約 8 時間後(午後 10 時)に、37.9℃の発熱と吸気
性喘鳴を認めた。胸部単純 X 線で右肺門部に浸潤影を認め、肺炎
と判断し抗菌薬、ステロイドの静脈注射とアドレナリン吸入を開
始した。翌日には解熱し、耳鼻科で咽頭・喉頭観察を行ったが異常
所見はなかった。ステロイドの静注とアドレナリン吸入は計 2 日
間投与し終了した。入院 6 日目に抗菌薬を内服に変更し、入院 7
日目退院した。抗菌薬は計 8 日間投与した。
退院 2 日目(受傷後 8 日目)の外来受診時も経過良好と判断され、
終診となった。
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