公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.102:類似事例:キャスターボード使用中の転倒による頭部外傷(No.102 キャスターボード使用中の転倒に よる外傷の類似事例 3)

タイトルキャスターボード使用中の転倒による頭部外傷(No.102 キャスターボード使用中の転倒に
よる外傷の類似事例 3)
事例_基本情報年齢:12 歳 0 か月 性別:女児 体重:30kg 身長:143cm
事例_家族構成父、母、妹 2 人(9 歳、6 歳)、弟 2 人(8 歳、4 歳)
事例_発達・既往歴正常、特記すべき既往歴なし
傷害の種類
原因対象物
_対象名称
キャスターボード
原因対象物
_入手経路 使用状況
家には 2 種類のキャスターボードがあった。
本児は小学校1年生の頃から 1-2 回/週で使用しており、乗りこな
していた。
臨床診断名脳震盪、急性硬膜下血腫、後頭骨骨折
医療費入院 1,112,340 円 外来 0 円
発生状況
_発生場所
自宅近くの道路(路面はアスファルトで、緩やかな坂道)
普段は行かない場所で、あまり遊び慣れていない道路であった。
発生状況
_周囲の人・状況
友人、8 歳弟と一緒に遊んでいた。
受傷した瞬間を目撃した人はいない。
発生状況
_発生時刻
2021 年 12 月 X 日 (日) 午後 5 時 00 分
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
弟がキックスケーター(地面を蹴って進む、ハンドル付きの乗り
物)に乗り、キャスターボードに乗った本児がその肩につかまる
形で緩やかな坂道を下っていた。ヘルメットは装着していなかっ
た。キャスターが石にひっかかって本児のみ転倒し、頭を地面に
ぶつけた。それ以降の本人の記憶は消失している。弟が母親に伝
えた。母親が接触した際、本児は頭痛を訴え啼泣していた。午後
6 時に、自家用車で医療機関 A を受診した。
治療経過と予後医療機関到着時、血圧 109/70mmHg、心拍数 101 回/分、呼吸数
20 回/分、SpO2(室内気)98%で、後頭部に皮下血腫を認めた。そ
の後意識レベルが低下し(GCS 4 点; E2V1M1)、午後 6 時半に全
身性けいれんが出現した。抗けいれん薬で鎮痙したが、自発呼吸
が不安定であったため、気管挿管を行い、小児集中治療室に入室
した。
頭部単純 CT 検査で左後頭部に硬膜下血腫と後頭骨骨折を認めた
が、継時的評価として血腫増大傾向はなく、病態の主体は脳震盪
によるものと思われた。鎮静下人工呼吸管理を行い、X+1 日に抜
管した。抜管後は意識清明となり、X+2 日に一般病棟へ転棟した。
X+4 日に施行した頭部単純 MRI 検査では明らかな異常を認めな
かった。計 10 日間の入院の後に退院した。神経学的後遺症は認め
ていない。
キーワードキャスターボード、転倒、頭部外傷