公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.093:類似事例:スチーム式加湿器による手指熱傷(No.93 スチーム式加湿器による背部熱傷の類似事例 6) ○同

タイトルスチーム式加湿器による手指熱傷(No.93 スチーム式加湿器による背部熱傷の類似事例 6)
○同
事例_基本情報年齢:1 歳 1 か月 性別:女児 体重:9.5kg 身長:75cm
事例_家族構成父、母、兄(幼児)、本児
事例_発達・既往歴特記事項なし
傷害の種類
原因対象物
_対象名称
スチーム式加湿器(重量 2.3 kg、幅 24cm、高さ 27.5cm、奥行き
26cm、水タンク容量 2.2 L)
原因対象物
_入手経路 使用状況
通販サイトで新品を購入し、冬季は毎日使用していた
臨床診断名右第 3 指、第 4 指浅達性Ⅱ度熱傷
医療費入院 0 円 外来 3,070 円
発生状況
_発生場所
自宅の寝室
発生状況
_周囲の人・状況
現場には兄と二人でおり、両親は 10m ほど離れたリビングにい
発生状況
_発生時刻
2025 年 1 月 X 日 (火) 午後 9 時 0 分
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
X 日、午後 9 時頃、自宅の寝室で兄と二人で遊んでいた。両親
は 10m ほど離れた別室にいたが、本児が啼泣したため見に行く
とスチーム式加湿器(以下、加湿器)の蓋が開いておりタンク
内の水が加熱されていた。兄が「(兄が)蓋をあけ、本児が中に
手を入れた」と話し、本児の右手に触れると泣いたことから、
明らかな外観の異常はなかったものの熱傷を疑い、覚知から約
5 分後に 30 秒ほど流水で冷却し、午後 10 時に救急外来を受診
した。
加湿器は床に電源を切って置いており、加湿器のスイッチには
チャイルドロック機能が付いていた。チャイルドロック機能は
受傷時には使用されておらず、状況から、兄が加熱ボタンを押
したと考えられた。製品はポットに類似し、蓋をあけるとタン
ク内に湯が溜まっている構造であった(図 1)。蓋はロックして
いたが、チャイルドロックは効かない仕様であり、幼児でも蓋
をあけることが可能な高さ(約 30 ㎝)であった。
治療経過と予後救急外来受診時も、外表上は明らかな所見はなかったが、右手の
指に触れると啼泣したため、翌日再診とした。X+1 日の再診時、
右第 4 指先端尺側 5mm×8mm の範囲が白色に変色していたが、
びらんはなかった。第 3 指には所見がなかった。そのため、処置
は行わず、自宅で経過観察の方針とした。X+4 日頃までは入浴
時に患部に湯が触れると啼泣していたが、その後軽快した。X+
6 日頃より、右第 3 指、第 4 指が先端から厚く表皮剥離を認め
た。X+15 日の再診時には、剥離した表皮の下に正常上皮を認め
た。その後も皮膚欠損や色素脱失、しびれの残存などなく軽快し
た。
キーワードスチーム式加湿器、熱傷