公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.093:類似事例:加熱式加湿器による右手熱傷(No.93 スチーム式加湿器による背部熱傷の類似事例 4)

タイトル加熱式加湿器による右手熱傷(No.93 スチーム式加湿器による背部熱傷の類似事例 4)
事例_基本情報年齢:1歳 2か月 性別:男児 体重:9.3kg 身長 73.5cm
事例_家族構成父、母、姉、兄、本児、祖母、祖父
事例_発達・既往歴特記事項なし
傷害の種類
原因対象物
_対象名称
加熱式加湿器 (2020 年製)
高さ 280×幅 150×奥行 245mm タンク容量 2.4L 【図 1】
原因対象物
_入手経路 使用状況
2年ほど前に母が量販店で購入
普段は祖父母の寝室に置いて使用していた。姉がインフルエンザ
になったため、1階の和室で布団を敷いて寝ており、その頭側に
加湿器を置いていた。当日加湿器のタンク内には水が半分ほど入
っていた。
臨床診断名右手熱傷(手掌、手指)
医療費外来 84,470 円 (X+31 日 全上皮化時点での総医療費)
発生状況
_発生場所
自宅1階の和室
発生状況
_周囲の人・状況
祖母が自宅で姉、本児をみていた。父が兄の保育園のお迎えに行
き帰宅したところであった。姉は和室で布団を敷いて寝ており、
祖母はキッチンに行き食事の用意等をしていた。リビングと和室
は行き来できるように解放されており、本児はリビングと和室を
行き来して遊んでいた【図 2】。
発生状況
_発生時刻
2023 年 11 月 X 日 (火) 午後 5 時 40 分
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
発生当日(X 日)和室から本児の泣き声がしたため、リビング
にいた父が確認したところ、加湿器の蒸気に右手を当てていた。
すぐに流水や冷水で 10 分ほど冷却し、救急要請し、A 医療機関
救急外来を受診した。
治療経過と予後来院時、バイタルサインは安定しており、右手掌、母指、示指に
水疱形成を伴うⅡ度熱傷を認めた。水疱は一部破綻していた。洗
浄後、ワセリン塗布した非固着式ガーゼで被覆し、外来フォロー
となった。(X+1 日)前日と同処置を継続。事故予防指導を実施し
た。(X+2 日)水疱は完全に破綻しており、デブリードマン実施【図
3】。(X+3 日)手指の関節をまたぐ熱傷であり、拘縮のリスクも考慮
し形成外科へ診察を依頼し、前日と同処置を実施した。(X+7 日)滲
出液はまだ多く、深達性Ⅱ度が疑われるような真皮が白色化した
部位が出現した。処置は軟膏ガーゼ処置を継続し、X+25 日には上
皮化が進み、ハイドロコロイド剤の被覆へ変更した。X+31 日上皮
化は完了した。手指の拘縮が認められるため、ステロイド貼付薬
などを使用、装具を作成し、今後も形成外科でフォロー予定であ
る。
キーワード加熱式加湿器、スチーム式加湿器、加湿器、熱傷