公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.093:類似事例:スチーム式加湿器による全身熱傷 (No.93 スチーム式加湿器による背部熱傷の類似事例 3)

タイトルスチーム式加湿器による全身熱傷 (No.93 スチーム式加湿器による背部熱傷の類似事例 3)
事例_基本情報年齢:2 歳 4 か月 性別:男児 体重:12kg 身長:88cm
事例_家族構成父・母・姉
事例_発達・既往歴異常なし
傷害の種類
原因対象物
_対象名称
スチーム式加湿器(サイズ 19.5cm × 20cm × 28.5cm、重量
1.7kg、水タンク容量 2.4L)
原因対象物
_入手経路 使用状況
祖父母宅で毎年冬の間は常時使用している
臨床診断名Ⅱ度熱傷 (範囲:体表の 20%、顔面、頸部、両上肢、体幹、左下
腿、右足)
医療費入院 3,090,000 円
発生状況
_発生場所
祖父母宅の居間
発生状況
_周囲の人・状況
傷害発生時、家の中には母親、祖母、姉と本児がいた。居間には本
児と姉の 2 人がおり、テレビを鑑賞していた。母は洗面所に行っ
ており、祖母は入浴中であった。
発生状況
_発生時刻
2023 年 2 月 X 日 (木) 午後 8 時 30 分
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
母と姉と一緒に母方祖父母宅に帰省していた。X 日午後 8 時 30
分頃、母が居間から洗面所に行ったところ、大きな音がしたため
居間に戻ると、棚(高さ 80cm 程度)の上に置いていたスチーム
式加湿器が床に落ちて転がっており、フローリングが水浸しにな
っていた。そのすぐ傍に本児が立っており啼泣していた。加湿器
内の湯をかぶったことがわかり、浴室に連れていきシャワーを浴
びさせ、脱衣をさせて再度シャワーを浴びさせた。その後救急車
を要請した。
治療経過と予後午後 9 時 25 分に病院に到着した際、第一印象は不良で代償性ショ
ックの状態であった。急速輸液により循環不全は改善し、PICU 入
室後 Baxter 法に基づいた輸液療法、保温、疼痛管理を開始した。
熱傷は全体表面積の 20%程度の範囲で、部位は顔面、頸部、両上
肢、体幹、左下腿、右足に及んだ。熱傷深度は浅達性Ⅱ度熱傷と深
達性Ⅱ度熱傷が混在していた。形成外科併診のもと、連日の洗浄
と外用療法を行った。しかし、創部感染を合併し、熱傷深度の進行
を認め、頸部、前胸部、左上肢は部分的にⅢ度熱傷に至った。壊死
部に対して外用薬による化学的デブリードマンを行い、壊死組織
が残存している箇所に対して超音波デブリードマン装置を用いた
水圧式デブリードマンを行った。その後、創部の上皮化・肉芽形成
が進み、植皮術は不要と判断された。PICU 入室 12 日間を含み
X+32 日目に退院となった。外来治療は他院で行うこととなった。
キーワード熱傷、熱湯、スチーム式加湿器