公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.091:類似事例:ランニングマシンに巻き込まれて受傷した前腕擦過傷(No.91 ランニングマシンに巻き込 まれて受傷した前腕擦過傷の類似事例 2)

タイトルランニングマシンに巻き込まれて受傷した前腕擦過傷(No.91 ランニングマシンに巻き込
まれて受傷した前腕擦過傷の類似事例 2)
事例_基本情報年齢:3 歳 性別:女児 体重:11.1kg 身長:84.1cm
事例_家族構成父、母
事例_発達・既往歴低身長の精査中、発達において異常指摘なし
傷害の種類
原因対象物
_対象名称
ランニングマシン
原因対象物
_入手経路 使用状況
1年前に父が自分用に購入し、リビングに設置されていた。ラン
ニングマシンのスタートボタンは操作盤(高さ 90cm)の手前側に
あり、本児が手を伸ばすと届くため、普段から本児はボタンを押
して遊んでいた。マシンにはスタートボタンをロックする機能が
装備されていないため、普段は父がランニングマシンを使用した
後に毎回電源コンセントを抜いて本児がスタートボタンを押して
も起動しないようにしていた。
臨床診断名左肘部擦過傷・Ⅰ度熱傷
医療費外来 17,140 円
発生状況
_発生場所
自宅リビング
発生状況
_周囲の人・状況
受傷時、本児のみがリビングにいて、両親は別の部屋にいた。本児
は同日は半袖・半ズボンの服装だった。
発生状況
_発生時刻
2021 年 7 月 X 日 (日) 午後 7 時 05 分
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
上記発生日の午後 7 時まで父親が使用し、終了時にランニングマ
シンがコンセントにつながっていることを父親が確認したが、旅
行にいく前で慌てておりコンセントを抜くことを忘れてしまっ
た。その 5 分後、リビングから本児の泣き声が聞こえたため両親
が駆けつけると、2km/hr 程度で稼働中のランニングマシンの後
方でローラーと床の間(図 1、2)に本児の左上肢が巻き込ま
れ、仰臥位で倒れていた。すぐに父がマシンを停止させ、マシン
ごと持ち上げている間に、母が本児を引っ張り出した。本児の左
肘部に擦過傷を認めたため、同日に医療機関を受診した。
治療経過と予後医療機関受診時、左肘関節屈側に 3×4 ㎝程度の擦過傷およびⅠ度
熱傷を認めた。同部位の単純 X 線写真で骨折はなく、その他の部
位に外傷は認めなかった。同日より湿潤療法を開始し、鎮痛薬を
処方された。X+3 日後には疼痛消失し、左肘関節の屈曲・伸展な
どの自動運動できるようになった(図 3)。
X+33 日、形成外科で創部のフォローし、左肘関節に拘縮なく創
部はわずかに色素沈着が残存するのみであった。治癒経過は良好
のため外来フォローを終了した。
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