公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.070:類似事例:ベッドから狭いスペースへの転落で発生した窒息 (No.70 ベッドガードとベッドとのすき間で発生した窒息の類似事例2)

タイトルベッドから狭いスペースへの転落で発生した窒息
(No.70 ベッドガードとベッドとのすき間で発生した窒息の類似事例2)
事例年齢:0 歳 6 か月 性別:男児 体重:6.7kg 身長:64cm
傷害の種類窒息
原因対象物成人用ダブルベッドとベッドの脇に積み上げられた毛布
臨床診断名低酸素性脳症
医療費545,040 円
発生状況
_発生場所
自宅の寝室
発生状況
_周囲の人・状況
屋内には両親がいたが家事をしていて同室にはいなかったため、目撃者はいない
発生状況
_発生時刻
2017 年 6 月 10 日 午後 9 時 50 分
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
特に基礎疾患はなく、成長や発達に問題を指摘されたことはない。寝返りは可能で
あった。
午後 9 時 20 分頃に寝室で哺乳後、成人用の柵のないダブルベッド(マットレスか
ら床までの高さ 43 ㎝)に一人で仰向けに寝かせられた。ベッドは児の頭側、右側
は壁に接するように配置されていた。転落防止のため児の左側に枕が、足側には毛
布が隙間なく積み上げてあった。(図 1、2)。母が 30 分後に寝室を訪れ、足側のベ
ッドの縁より転落し、積み上げられた毛布とベッドの間に挟まっているところを発
見された(図 3)。意識がなく顔色不良であったため医療施設に救急搬送された。
治療経過と予後救急隊到着時、自発呼吸はあったがチアノーゼを認めたためバッグバルブマスクに
よる補助換気が行われた。医療施設到着時は、呼吸数 40 回/分、心拍数 180 回/分、
収縮期血圧 68mmHg、酸素飽和度 93%、意識レベルは日本昏睡尺度(Japan Coma
Scale)でⅢ-100 であった。医療施設到着直後にけいれんを認めたためジアゼパムを
投与された。また、低血圧性ショックであったため、生理食塩液による輸液負荷
(20ml/kg)が行われた。その後 30 分ほどで、呼吸、循環は安定し意識レベルも
改善した。頭部 CT や身体所見では頭部やその他の外傷は認めなかった。入院 5 日
後に撮影した頭部 MRI 検査にて右の視床に信号変化(DWI で高信号、ADC 低下)
を認めたこと、また臨床経過から、低酸素脳症の診断に至った。なお入院3日後に
行った脳波検査では異常を認めなかった。その後遅発性の脳浮腫や陰圧性肺水腫は
認めず、6 月 17 日に後遺症なく退院した。
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