公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.068:類似事例:髪ゴムによる前腕・手指外傷(No 68 玩具による指ターニケット症候群の類似事例 3)

タイトル髪ゴムによる前腕・手指外傷(No 68 玩具による指ターニケット症候群の類似事例 3)
事例_基本情報年齢:0 歳 1 か月 性別:男児 体重:5.6kg 身長:53cm
事例_家族構成父、母、姉(5 歳)、兄(2 歳)
事例_発達・既往歴特記事項なし
傷害の種類
原因対象物
_対象名称
髪ゴム (輪状で直径 5 ㎝)
原因対象物
_入手経路 使用状況
海外のスーパーで 4 年前に大量購入した(図 1)。自宅に同じ髪ゴ
ムがたくさんあり、収納場所は決まっておらず、色々な場所に置
かれていた。普段は本児の姉の髪を括るのに使われており、姉自
身も人形に使用していた。
臨床診断名左前腕ターニケット症候群、左手背水疱
医療費外来 22,250 円
発生状況
_発生場所
自宅の居間
発生状況
_周囲の人・状況
午後 6 時、夕食後に父が本児と入浴した。父が沐浴後に本児に長
袖の服を着せ、いつも通り居間に寝かせていた。最近、姉は児を構
いたがる。
発生状況
_発生時刻
2021 年 10 月 X 日 (火) 午後 6 時 30 分頃
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
居間で本児が沐浴後に寝ている際に、姉は本児をお世話する様な
おままごとをして遊んでいた。午後 7 時 30 分頃から母は本児を
抱っこ紐に入れて家事をし、午後 8 時頃に就寝させた。本児は、
母が抱っこ紐で抱っこしている時から翌朝まで機嫌が悪かった。
母は原因が分からずに、頻回に哺乳をさせて対応した。
翌日午前 5 時に、母が本児の左手背に水疱があることに気が付
き、さらに本児の衣類の袖をめくって確認したところ、二重にな
った髪ゴムが前腕にはめられていた(図 2)。母が自宅で髪ゴムを
外した。その直後から医療機関を探したが見つけられず、救急要
請をして午前 8 時前に搬入先が決定した。医療機関受診後に、姉
が本児の腕に付けたと証言した。
治療経過と予後午前 8 時に受診した。髪ゴムがはめられていたと考えられる位置
に挫創、皮膚発赤を認め、その部位より末梢側の皮膚は赤紫色で
あった(図 3)。左手背には最大径約 3 ㎝の水疱を認めた(図 4)。同
日、皮膚科を受診し、ヒドロコルチゾンとジメチルイソプロピル
アズレン塗布で加療。処置中に水疱が破れた。さらに、整形外科受
診もしており、腕、手指の運動障害はなく、コンパートメント症候
群も否定的と診断された。X+10 日後の再診の際は、手背の水疱と
髪ゴムがはまっていた前腕の表皮剥離は治癒しており瘢痕となっ
ていた。手指、腕の機能障害は認めなかった。
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