公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.066:類似事例:ネオジム磁石による小腸穿孔(No.66 磁石と鉄球の誤飲による小腸穿孔の類似事例 9)

タイトルネオジム磁石による小腸穿孔(No.66 磁石と鉄球の誤飲による小腸穿孔の類似事例 9)
事例_基本情報年齢:7 歳 8 か月 性別:女児 体重:27.5kg 身長:129.8cm
事例_家族構成父、母、兄(小学校 5 年生)、姉(小学校 3 年生)
事例_発達・既往歴熱性けいれん、その他特記事項なし
傷害の種類
原因対象物
_対象名称
ネオジム磁石、球、直径 3mm 大、216 個セット
原因対象物
_入手経路 使用状況
インターネットで親が入手。入手時期不明
新品、兄が主に使用
臨床診断名小腸穿孔
医療費入院 688,770 円
発生状況
_発生場所
自宅のリビング
発生状況
_周囲の人・状況
兄とリビングで遊んでいた。磁石は誰でも手の届く場所(リビン
グの低めのテーブル)に置いてあった。
発生状況
_発生時刻
2021 年 3 月 X 日 (火) 午後 2 時 00 分
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
普段から口の中に物をいれる癖があった。
X 日、昼過ぎに兄と遊んでいる時にネオジム磁石を口の中に隠し
ていてそのまま誤飲した。同日午後4時頃より腹痛と頻回の嘔吐
が出現した。X+1 日に近医小児科を受診し胃腸炎と診断され整腸
剤、制吐剤、鎮痛剤を処方され帰宅した。しかしその後も消化器
症状持続し、食事摂取・水分摂取困難となったため X+3 日に自
家用車で医療機関を受診した。
治療経過と予後来院時バイタルは安定しており、腹部は膨満軟、臍周囲に tapping
pain と腹部全体に圧痛があった。腹部 X 線写真【図 1】で 5 個の
球体が直線状に連なる異物像と腸管拡張像を認めた。また腹部 CT
検査【図 2】で小腸にネオジム磁石と思われる異物と異物の口側小
腸の拡張、および腹水貯留をみとめた。ネオジム磁石による小腸
閉塞と判断し、同日緊急で腹腔鏡下異物摘出術、小腸修復術を施
行した。異物が存在していた小腸に穿孔を認め、穿孔部より肛門
側小腸に炎症の波及による漿膜筋層損傷が続いていたため縫合・
修復した【図 3】。術後経過は順調で X+6 日に後遺症なく退院し
た。
本児に再度聴取したところ、怒られると思い磁石を飲み込んだこ
とを両親に伝えられなかったとのことである。
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