公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.064:類似事例:シャンプーボトルによる肛門裂創(No.64 女児の会陰部外傷の類似事例 4)○

タイトルシャンプーボトルによる肛門裂創(No.64 女児の会陰部外傷の類似事例 4)○
事例_基本情報年齢:1 歳 11 か月 性別:女児 体重:11kg 身長:86cm
事例_家族構成父、母、兄(3 歳)、本児
事例_発達・既往歴特記事項なし
傷害の種類
原因対象物
_対象名称
こどもシャンプー泡ポンプタイプ
(ボトルがキャラクターの形をしているもの、【図 1】)
原因対象物
_入手経路 使用状況
入手経路:受傷 3 か月ほど前にプレゼントでもらったもの。
普段は浴室内の棚の上に置き、入浴の使用時に床におろして使っ
ていた。
透明のキャップは固くて開けにくかったため、2-3 週間前から外
しており、受傷時にキャップはついていなかった。
臨床診断名肛門裂創
医療費入院 888,550 円
発生状況
_発生場所
自宅の浴室
発生状況
_周囲の人・状況
母、兄と入浴していた
発生状況
_発生時刻
2024 年 6 月 X 日 (日) 午後 9 時 30 分
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
上記時刻、浴室内で兄とおもちゃの取り合いをし、共におもち
ゃに手をかけていた。兄がおもちゃから手を離した瞬間に、本
児が後方に勢いよく転倒し尻餅をついた。浴室の床に置いてあ
ったシャンプーのボトルの直上に本児の臀部が乗る形で受傷し
た。受傷直後に排便があり、肛門周囲の創部から出血も認め
た。10 分程度で止血は得られたが疼痛の訴えが続いたため同日
医療機関を受診した。
治療経過と予後仰臥位で frog leg position で創部の診察を試み、肉眼的に静脈性
の出血を伴う裂創を認めた。患児の体動が激しかったため、それ
以上の詳細な評価は困難であり、小児外科医に相談の上、静脈鎮
静下で創部を評価した。会陰部から肛門周囲を詳細に診察し、肛
門の 11 時方向に真皮まで達する裂創を認めた(図 2)。その他、
肛門周囲の皮膚に浅い挫傷を認めた。また、骨盤部単純 CT を
撮影し、直腸穿孔の所見は認めなかった。その後は全身麻酔下で
の処置が望ましいとの判断により、手術室での処置へと移行し、
術後に入院管理とした。手術室での評価では、腸管損傷はなく、
肛門部の裂創に対して 4-0PDS で 6 針縫合した。術後経過は良
好で、術後 4 日目に排便が確認され同日に退院した。術後 11 日
目に全身麻酔下での抜糸を目的に入院とした。術後 14 日目に抜
糸し、創部離開がなく、肛門ブジーで出血がないことを確認し退
院とした。
キーワード入浴、 肛門裂創、シャンプーボトル