公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.060:類似事例:制汗剤の誤飲(No.60 染毛剤による口唇腫脹の類似事例1)

タイトル制汗剤の誤飲(No.60 染毛剤による口唇腫脹の類似事例1)
事例年齢:1 歳 8 か月 性別:男 体重:9.3kg 身長:78.0cm
傷害の種類異物誤飲
原因対象物制汗剤 (ウォータータイプ)
成分:エタノール、水、メンチルグリセリルエーテルなど 父の所有物(図 1、2)
臨床診断名異物誤飲
医療費98,960 円
発生状況
_発生場所
自宅リビング
発生状況
_周囲の人・状況
母はキッチンで調理していた。オープンキッチンの構造であり、リビングにはダイニ
ングテーブル(高さ 90cm)とローテーブルがあった。児はそのテーブル間におり、
母から見える位置であった。兄(7 歳)はダイニングテーブルの横で本児が散らかした
綿棒を拾って片付けていた。
発生状況
_発生時刻
2016 年 7 月 21 日 午後 9 時 00 分過ぎ
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
制汗剤は開封後であり、ダイニングテーブルの端から 10cm の場所にあった。ダイニ
ングテーブルとローテーブルの間に立って制汗剤を飲んでいる児を兄が発見し、「飲
んでる!」と叫んだ。母が児を見ると、まさに制汗剤を飲んでいる状態であった。蓋
は床に落ちていた。母がすぐに児のそばに駆け寄り、そのまま児を浴室へ連れて行き、
口腔内と体幹部をシャワーで洗った。一部内用液を体幹部にこぼしてはいたが、20
〜30ml 程度誤飲した可能性があった。顔面紅潮以外の症状はなかったが、日本中毒
情報センターに連絡すると緊急での受診を勧められたため同日当院救急外来を受診
した。
児の身長では制汗剤は手の届かない場所であったが、ダイニングテーブル脇には付属
の高さ 50cm の椅子があり、児はその椅子に登ることは可能であった。
治療経過と予後受診時、バイタルサインは安定していた。顔面紅潮は改善傾向にあったが、頬・頸部
の発赤を認めていた。制汗剤にはエタノールが約 50%近く含まれているものもある
ため、経過観察入院とした。血液検査で低血糖は認めなかった。経過良好であり、翌
日退院となった。担当医が当該製品を確認したが、蓋(図1,2.)は回転+ロック式で
あり、小さい回転エネルギーでロックが解除され容易に開封できる製品であった。
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